以前、夫婦が生き埋めになって死亡というニュースがあった。
結婚記念日に奥様が旦那を驚かせようと、友人と落とし穴を砂丘に作った。
夜に旦那を誘い込んだら二人して落っこちて、そのまま生き埋めに。
不謹慎承知の上で、芝居としては以後の情景だろう。(落ちてからの二人芝居もありか?)
友人と遺族は、どんな思いで葬儀に臨んだか?

と思っていたら、今日またこんなニュースを見た。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111129/crm11112923210049-n1.htm

リサイクル業者の社長が契約社員を解雇したら、ショックでその女子社員は崖に突進。
止めようと追いかけた社長が勢い余って崖に転落。びっくりして覗き込んだ女子社員も転落。
社長は死亡、女子社員も意識不明。
これ、女子社員の意識不明の原因の何割かは罪の意識じゃないだろか。「社長、ごめんなさいい、」
とか。

笑ってはいけないだろうけど、世の中は面白い。


さて、話は変わります。

「うお伝説」みてきました。面白かった。
正直、暗い話を覚悟してた。実際、明るい要素はない話だった。
一組の夫婦の崩壊の話。
初演はきっと息が詰まる舞台だっただろうな。
でもたぶん演出はそこを変えた。…んじゃないかなあ。
前半開放病棟でのかみ合わない会話が続く。飽きるギリギリのライン。
患者も医師も看護婦もおかしい。
そこから患者である妻と、けなげに付き添う夫の「問題」が浮き上がってくる。
後半はその「問題」に立ち向かう夫婦が描かれていく。
妙に清々しい「死の棘」みたいな感じ。

美術もよかった。
「うお」になりたい男性患者の妄想そのままに、夫婦がその問題と格闘していくと、舞台の「水位」が上がっていく。
細長い黒い平ゴムを張り渡した舞台が、演者を飲み込んで上に、上に。
劇場の壁に記された水位一杯になったところで、夫婦が最後のポーズをとる。
どこにも救いはないのだけれど、なんか清々しい。
「ああ、それしかないよなあ」って気になる。
べ様、相変わらず素敵。