初伝は、基本的な刀操法、居合の身体的所作の

トレーニングであると想像できます。

 

体や技が仕上がってきた次に

「心の話」

が続くと考察をしています。 

以下は私的解説になります。

   

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横雲は、横に尾が長くなびく雲です。

この尾の意味は「執着」です。

 

執着から生まれる心は、夕雲流で言う畜生心です。

執着から生まれた勢いのある剣撃は虎や雷(虎一足、稲妻)に

例えられ、そのような見栄えの良さに心を

持っていかれてしまいます。

 

執着を捨てた形とは何か?

それが「浮雲」です。

 

空に漂う雲に、強い風(山颪(颪))が当たっても

雲は移動をするだけになります。

山颪を強い剣撃とするならば、浮雲になった人には

その剣は届かず、また浮雲の心は反撃を生まないため

無敵(心に敵がいない)になっています。

 

いやいや、

「剣は強い気を敵にぶつける事が大事である!」

と思うかもしれません。

強さは有限です。

強風で波を起こしても、岩場で波は散ってしまいます。(岩浪)

 

魚には鱗があります。

鱗は水の流れに逆らわないようになっています。

しかし、強さを求める心は、

まるで鱗を逆さまして泳ぐようなものです。(鱗返)

 

敵に打ち勝とうとする心は、

渦巻いた波を止めようと足掻く事です。(浪返)

浪(波)を止める技術や腕力は得られるでしょうか?

 

強さを求める心は、裏を返せば

臆病な心の事です。

怖いから強くなりたいと思うのです。

しかし、剣の本質は護身ではありません。

身を捨てる事です。(滝落)

 

お相手の凶刃に恐れるこなく、

滝に身を落としたと思って

白刃の下に真っ直ぐに入ってください。

そこに、答えがあります。(真向)

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このような考察が正しいかはわかりませんが、

このような内容であれば、英信流の居合も

自由に扱う事が可能です。

 

     

 

無想剣武術会 藤沢市支部

https://bukokai.jimdofree.com

 

居合の稽古も行っております。