貴族らしさは、

 

目に見える分かりやすいところにはなく、

 

知る人だけが知る、

 

高次元の彼方に存在します。

 

 

 

 

 

この写真は、燕尾服のシャツです。

 

 

 

シャツの左胸、

 

赤い矢印で示した場所に、

 

不思議なスリットがあります。

 

 

服に詳しい方なら、

 

このスリットが何の目的で付けられたかを知っていると思いますが、

 

なぜ、左胸に付けられたかを知っている人は、

 

とても貴族らしい人と言えます。

 

 

 

この左胸のスリットは、

 

ドレススタッズを付けるときに、手を入れるためにあります。

 

 

 

しかし、実際に左手を入れても、

 

ドレススタッズを押さえるのは至難の業です。

 

逆に右手を入れようとしても、届きません。

 

 

ではなぜあるのか、

 

 

その答えは、

 

右手を入れて、ドレススタッズを押さえるためにあるのです。

 

 

そう、

 

従者の右手を。

 

 

昔の貴族は、自分で服を着ません。

 

従者が着せてくれるのです。

 

 

貴族らしさとは、このような部分にあらわれるのです。