好酸球肉芽腫症候群とは、白血球の一種である好酸球が誤作動を起こしてしまい、自らの体の組織を破壊してしまい、傷や炎症の修復時にできる肉芽腫(にくがしゅ)を形成してしまう病気の総称です。

肉芽腫は、慢性的にできる傷や炎症によって、傷付いた組織が集合して線維状に固まったもので、腫瘤と呼ばれているものです。

そのため、独自に細胞の分裂や増殖を行う腫瘍(癌細胞)とは性質が異なります。

好酸球は、花粉やハウスダストの吸引、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎といったI型アレルギーの発症時や、フィラリア、コクシジウム、トキソプラズマといった寄生虫が体内に侵入した際に活発になり、異物(非自己)と判断したものを直接攻撃する働きを持つ免疫細胞です。

微細な原虫や蠕虫などの原生動物に対する強力な細胞毒性を持っており、大量に発生して活発に活動すると、周囲の組織が破壊されたり、損傷するようになります。

また、好酸球は炎症性物質であるヒスタミンの働きを中和するなど、アレルギー反応を制御する働きを持っている事も知られています。