マイナ保険証の利用率アップに「飴とムチ」 | 笑う門には福来るのブログ

笑う門には福来るのブログ

 ブログにようこそいらっしゃいました。
 高校野球をこよなく愛し、「平和」にも敏感でありたいと考えています。

【いまだ利用率は5%程度】

 あと7ヶ月後の今年12月2日には現行の紙の保険証が廃止されることが決まっている。しかしそのマイナ保険証の利用率の現状は目を覆いたくなるほど。

 

 昨年4月の6.3%から、10月には4.5%に。そして今年3月時点では5.47%。医療機関を利用している国民の実に100人のうち95人がマイナ保険証を利用していないことになる。

 

 その原因は、診療所・クリニックなどの医療機関の問題だと思っているようだ。

 

【使えぬ医療機関の「通報」を⁉】

 そんな中、先週自民党議員に郵送されたという河野デジタル相の「激文書」には驚かされた。今後は自民党の地方議員にも要請していくとか。

 

 国会議員の支援者たちに、医療機関を利用した時にマイナ保険証の利用を働きかけること、もしマイナ保険証の利用者に紙の保険証の提示を求めたり、マイナ保険証を利用できない医療機関があったらその名前を「窓口」に連絡するよう呼びかける書面。必要に応じて厚労省から事実確認する可能性もあるとある。

 

 議員の支持者を使って問題の病院名を「密告」させ、国から医療機関に圧力をかけさせようとしているようだ。まるでどこかの近い外国の密告・監視社会のようだ。

 

【利用者数を増やした医療機関に10~20万円支給】

 一方の武見厚労相。先週の参院厚労委員会で表明した。

 

 今年5~7月までの集中取組月間中に、マイナ保険証の利用者数を増やした診療所には10万円、病院には20万円を支給するという。昨年度の補正予算で計上した事業費217億円の「医療機関への利用促進支援」費を使うのだとか。

 

 本当に国・厚労省はそんな微々たる金額で、利用率が飛躍的にアップするとでも思っているのだろうか。

 

 まもなく始まるゴールデン・ウィーク頃からは、テレビCMなどで内藤剛志“捜査一課長“などを使っていやというほど利用促進CMが流されそうだ。

 

【何の不便もない紙の保険証利用】

 本当に医療機関が改悛すれば利用率はアップするのだろうか。要因は「医療機関の受付での声掛けにあると考えられます」と先の文書では書かれている。

 

 問題は、数々のトラブルで現場の医療機関がホトホト困っていることだろう。それでやむなく「紙の保険証も持ってきて」と訴えているのに。例えば別な人が使っても顔認証でOKになってしまうというのは本当に改善されたのか。

 

 一旦リーダー機器がトラブルを起こすと、復旧まで長い時間がかかるので困ってしまうという医療機関の声は本当に改善されたのか。利用者も、紙の保険証で何の問題も感じていない。

 

 全国保険医団体連合会の事務局は「マイナ保険証で資格無効となるなどトラブルが頻発しているため、医療機関は紙の保険証の提示を求めている。それを不当な行為のように国に通報し、監督官庁から是正させると受け取れる発言で、断じて許せない」という。

 

 これらは国民の利便性よりも国のメンツを優先させているだけ。ウワサされている衆議院解散で大敗しても、紙の保険証を廃止してデジタル保険証はシャニムニ推し進めるのだろうか。

 

 高齢の経験豊かな医師の個人医院が、国のデジタル保険証対応のごり押しで、少なからずの閉院が続いていると聞くが、残念でならない。