(BGM:古畑任三郎のテーマ)

え〜、皆様げきだんわ。とみちゃんです



仮面ライダーシリーズの中でも大人気の作品『仮面ライダー電王』。電王が人気の要因はいくつもありますが、その中の1つとして普段は気弱な主人公が仲間のイマジンたちに憑依されることで人格が変わり、それによってフォームも変わるという面白さがありました。憑依状態の時はイマジンたちの声優たちが声を当ててはいますが、それをうまく演じる佐藤健の凄さがわかるところでもありますね。

大人気少女漫画・アニメ『しゅごキャラ!』も憑依するしゅごキャラによって人格が大きく変わる作品ですし、以外と人格変わる系の作品は人気なのが多いんですね。

今回紹介する劇団作品も人格が変わる主人公が出てきますが、『仮面ライダー電王』や『しゅごキャラ!』のように何が憑依しているのかは終盤までのお楽しみです。さて、誰なんでしょうね?








『怒草食ボーイ』




【概要】

HERO NEXT6弾。劇団結成3周年記念プロジェクトの一環として制作された自主制作映画となった。

単体の映像作品としては、劇団全作品の中で最も多くのキャストを起用しており、本作品から劇団のサポートチーム『アイアンテールについて語り合う会』が結成。劇団!三角関数と併せて『三角関係の会』と呼ばれるように。ロケは桜木町での長時間に及ぶ大掛かりな撮影を実施するなど、演出面でも新たなる試みで溢れた作品。



【あらすじ】

何をやってもダメな臆病者の縞柄茉奈は、ある日知り合いの警察官である福島源之助と宿倉慶路に飲み物を買ってくるように頼まれるが、自販機でたむろしていた二人組の不良に脅され、逃げてしまう。

数日経って茉奈と福島が歩いていると、先日会った輩とは別の二人組に突然拉致をされる。そしてその男達は、先日の不良達とグルであり、しらにはなんと、ターゲットに多額の金を貸して高額の利子をつけ返済を要求し、返さなければそのターゲットを即殺害する悪徳金融会社『殺伐金融』の社員だった

しかし、追い詰められた茉奈に異変が。彼は外見が全く異なる野蛮な口調へと狂変し、彼らを一網打尽に成敗してしまった。

茉奈の身に一体何が起こっているのか。そして福島と宿倉は殺伐金融を壊滅させることができるのか




【インタビュー】

(回答者:彰吾)

1.怒草食ボーイという作品を初めて知った時の印象や、台本を読んでの感想などありましたらお聞かせ下さい。


読み始めた当初は、ただの臆病な青年、茉奈が成長していって不良達に立ち向かっていく系の話なのかなと思いました。 あながち間違ってもいなかったのですが、その不良達が不良の域を超えている程のイカれ野郎どもなのが衝撃的でした(笑)。そしてそのイカれ野郎どもが所属している『殺伐金融』のボスの『牛島さん』というキャラがもう強烈で。性格はのほほんとしているんですけど、ガラの悪い連中に1人だけ相応しくなさそうな男が混じっているので、今までの作品とは違った意味でボスとしての恐ろしさを醸し出していましたね(笑)。しかもあの人格で平然と人を殺すのでもうサイコパスですよ!その殺伐金融との対峙で、主人公の茉奈が意思を伝えられるようになったり、メインキャラであり警察官の宿倉が人情を持てる様になるなど、様々なキャラの成長なども見受けられる人間ドラマという印象を受けましたね。あと茉奈の人格変化は完全に仮面ライダー電王がモチーフだとすぐに感づきました(笑)。



2.撮影の際の思い出や、楽しかったことなどありましたらお聞かせ下さい。


とにかく腕を締め上げたり、戦闘シーンを行なったりする場面が大変でした。僕演じる福島はガサツで乱暴さが目立つ警察官という設定なので、当然その様なシーンも多いわけで。殺陣の経験もほとんど無かったのでとにかく上手くいかなくて大変でした。今見直しても「撮り直したいなぁ」と思うほど恥ずかしながら未熟さが際立ってます(笑)。


3.この作品をまだ見たことがない方へメッセージをお願いします


1.で長く語りすぎてしまいましたが、この作品は主人公の茉奈が、違法の取引や殺人を繰り返す殺伐金融との戦いを通し、人間的に成長するお話となっています。正体不明の茉奈のもう一つの人格の活躍も茉奈に大きな影響を与えます。なので茉奈を始めとしたキャラの成長への人間ドラマや、茉奈ともう一つの謎の人格との緩急の変化などを楽しんでいただけると嬉しいです。


(回答者:裕志)

1.この作品を書こうと思ったきっかけを教えて下さい。


当時のHERO NEXTは完全に探偵団とTime Drainが2大巨頭になっていて、何か新しい起爆剤を作りたいという思いがあったんです。その時、OVER LOADが3周年記念を背負っていくことになるのですが、舞台ではなく映像的な魅力として出せる作品が作りたいなと思っていて、この作品が一足早く生まれたんですね。当時はライブばかりで新作はありませんでしたし、キャストをとにかく多く起用できるようなものをやりたくて、みんなでとにかく大学生的なワチャワチャ感を味わいたいという1個僕らの青春ど真ん中のような作品になりました()



2.制作時の思い出はありますか?


実はわざわざロケ地の管轄にあたる警察署に、現場の使用許可を求めて問い合わせしたんですよ()。やるなら本気でやりたいと思って。で、まずは小さな交番にかけて「うちじゃないのでこちらの管轄へ」と言われ、次に警察署に繋がり、観光課に繋がり、他部署、他部署、他部署とおそらく7件くらい数珠つなぎで「うちが管轄じゃない」という電話を繰り返しました。ようやく辿り着いたところで多額の使用料だということが判明して、諦めたのを覚えています()

メンバーみんなが集合した日は一生忘れられない宝物ですね!あの日は幸せの一言に尽きましたし、ロケハンした甲斐もあって、敵のボスの牛島さんをめちゃめちゃカッコよく演出できました!

そして後からではあるのですが、磯村役に遼太くんが決まりまして、僕の描いた磯村という感じで嬉しかったのを覚えています。


3.この作品をまだ見たことがない方へメッセージをお願いします。


茉奈という臆病な男の子がどのように成長していくかも見所ですが、そこに関わる人々も色々な思いを抱えながら極悪組織へ立ち向かっていきます。是非、劇団のどの作品にもない、勢いと情熱に溢れた作品なのでご覧下さい!





〜とみちゃんの独り言〜

殺伐金融が登場する本作は劇団作品の中では1作品に多数の悪役が登場する珍しい作品でもあります。そもそも劇団の中でも多数の助っ人を呼んでの大撮影をした作品ですからね()

悪役の話をしていて思い出しましたが前にこんな質問をされたことがあります

「とみちゃんは悪役好きなの多いけど、嫌いな悪役のタイプはいないの?」

もちろん私にも嫌いな悪役のタイプはいます。

私が嫌いなのは相手の感情を理解できない悪役ですね。相手の感情や嫌なことを理解してあえてする悪役は素晴らしいと思いますが、それを理解できない悪役はもうただの外道やクズとしか言いようがありません。

殺伐金融の面々はそれぞれ個性豊かな悪役なので私も色々な悪役を演じれるよう参考にしたいと思います()



では、続きはまた夢の中で。Ciao