娘、中学生最後の大会に出場、結果は準優勝。

 

カテゴリーではたった14人出場の、コロナ以前に比べれば半分規模の

 

トーナメントでしたが、それでも、我が家にとっては非常に強く、

 

意味のある試合でした。

 

準決勝は、最後の中体連で敗れたお相手とリマッチ。

 

ただ自分のプライドのみで、「出るよ。」と静かに決めた娘。

 

出場メンバー中唯一の三年生。

 

かつてのライバル達の姿はもはやどこにもなく。

 

季節は、すっかり移り変わってしまった。 

 

場違いかも知れない。

 

まだやるの?

 

また負けたらどうする?

 

今練習している38の竹刀から、あの日以来の37に持ち替えて。

 

 

その時間帯、父である僕は車で約1時間離れた場所で、

 

指導させて頂いている部活動の練成会に帯同しておりました。

 

Bチームの様子をうかがいに、渡り廊下の階段を登り切った頃、

 

妻から速達のように届いた一枚の試合結果画像に、

 

思わず涙がじゃあじゃあと溢れてしまいました。

 

「勝たせてあげられなかった。」

 

「一番、稽古していたよな。」

 

二人の時に、何度も繰り返した言葉。

 

 

 

追加の最終報告には、思わず吹き出してしまう。

 

決勝で敗れて再度、全国大会への出場権を逃した。

 

これもまたなんと、娘らしい。

 

地道に、泥臭く、自分の速度で、一つ一つ。

 

トーナメント、上位に残った選手達は明らかに、

 

娘の同じ時分よりも遥かに強い。

 

きっと、来年再来年も彼女たちの時代は続くはず。

 

 

 

振り返れば娘、小学三年生。

 

初めて勝った試合は、粘って粘って延長戦での僅差判定勝ち。

 

それでも、正座して面を外した時の誇らしげな顔を、

 

僕は今でも忘れない。

 

「あんなにやってたのにこれか。」

 

違う、そうじゃない。

 

「もうこのレベルで終わりだよ。」

 

それがどうした。

 

目の前の困難に、立ち向かう姿にこそ意味がある。

 

自分の中の恐怖に、退かない勇気こそ真に培われるべきもの。

 

それが、彼女の剣道。

 

言葉少ない彼女の、僕が大好きな剣道。


資質はたった一つ、努力する才能。


今日もまた、寒空の下、ランニングに出掛けて行く。


最後の、37。


敗北してなお、誇らしい。





hiratapapa