三角絞めでつかまえて2 -794ページ目

ちょっとだけ更新を多めにします。

どうもです。

このブログを今月半ばから初めましたが、今月に限ってやたら映画を観ているので、感想を書いた映画の公開がもう終わっていたりするケースが多くなっております。まぁ、自己満足でやっているので、どうでもいいっちゃどうでもいいんですが。

ただ、一部の人からせっかくブログを読んでもらえているので、僕の拙く独りよがりな決して批評というレベルには達してない感想文を読んだ人が、万が一でも「この映画は面白そう!」って思ったとき、まだ観に行けるような状況にはしておきたかったりするワケでして…。

ということで、基本的には1日1回の更新をここ数日間はちょっとだけ多めにしてみますね。時間と心に余裕がある人は読んでみてくださいな~。

無防備(ネタバレ)

無防備※映画の説明などを追記しました(12/17)

三角絞めでつかまえて-無防備

2008/日本 上映時間88分
監督・脚本:市井昌秀
出演:森谷文子、今野早苗、西本竜樹、柿沼菜穂子、熊埜御堂彩、中村邦晃、朝真裕稀
(あらすじ)
プラスチック工場で働く律子(森谷文子)には親しい友人もいず、夫とは寝食を別にする家庭内別居状態が続いていた。そんな中、妊娠中の千夏(今野早苗)が工場に入社してくる。千夏と親しくなった律子だが家では夫に冷たくされ、幸せそうな千夏が憎らしくなってくる。しかし、その背景には律子に起きた過去の不幸な出来事が関係していた。(以上、シネマ・トゥデイより)

予告はこんな感じ↓




70点


先々週に観た映画なんですが、忘れないためのメモ代わりということで、「無防備」の感想を書きます。この映画、2007年に製作されていて、第30回ぴあフィルムフェスティバルや第13回釜山国際映画祭でグランプリを獲っているそうなんですが、確かに面白かったです。

主人公は田舎のプラスチック工場で働く中年女性。交通事故が原因で流産してしまい、それがキッカケで夫とは非常に冷え切った関係になってしまっている。ある日、愛想の良い若い妊婦がその工場でパートとして働くことになり、主人公と彼女は仲良くなるが、彼女の影響でオシャレをしたり手料理をしたりしても夫との仲は相変わらず。いつしか主人公の精神状態はおかしくなって…。って、あまり面白くなさそうですかね? まぁ、でもこんな感じなんですよ。全体的なトーンはかなり地味です。

とにかく主役の森谷文子さんが凄かったです。主人公の絶望感が伝わってきて、全編息苦しいというか、緊張感があったというか。妊婦役の今野早苗さんもよく頑張った。ラスト、ガチの出産シーンがあって、かなりビックリしました。「映倫で初の許可が出た」とか、この映画で一番話題になってたみたいなんですが、知らなかったんですよ。観ながら「えっ? マジなの!?」とやや取り乱しました(笑)。ちなみに監督の市井昌秀さんが今野さんの旦那なんですが、なんと元「髭男爵」だとか。まぁ、だから何だと言われれば何でもないんですが。

とりあえず東京での公開はもう終わってしまっているようですが、機会があったら観ると良いかと思います。僕はこの映画、結構好きです。非常に地味ですが。





「隼」の方が市井監督の作品です。すみません、未見だったりします…。
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妻と見に行きました。「キャリアと出産」問題を棚上げした感じに腹が立ったなぁ。
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私の中のあなた(ネタバレ)

私の中のあなた※映画の説明などを追記しました(12/17)

三角絞めでつかまえて-私の中のあなた

原題:My Sister's Keeper
2009/アメリカ 上映時間110分
監督:ニック・カサベテス
出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック、ソフィア・バジリーバ、トーマス・デッカー、ヘザー・ウォールクィスト、ジョーン・キューザック、エバン・エリングソン、デビッド・ソーントン
(あらすじ)
白血病の姉・ケイトを救うために、ドナーとして作られて産まれた11歳の妹アナは、ある日突然、「自分の体のことは自分で決める」と臓器提供を強いる両親を相手に訴訟を起こすが、その裏にはある思いが隠されていた……。(以上、エイガ・ドット・コムより)

予告はこんな感じ↓




50点


「私の中のあなた」は、「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の「シネマハスラー」のコーナーの“サイの目候補”にやたらと入っていたので(選ばれてはいない)、「構成作家の古川耕さんあたりのオススメかしら?」と思い、今月の前半に観てきました。メモとして残しておきたいので、もうほとんど公開終了状態ですけど、感想を書いておきますね。

大まかなストーリーは、白血病の姉のために腎臓提供を迫られている妹が家族を訴えるというもの。そう聞いた僕は「主人公の少女は本当に自分の体を守るためだけに家族を訴えたのか?」「『感動作』的な宣伝をしているけど、そんな内容で本当に感動できるのか?」と思っていたんですが…。

オチを書いちゃうと、妹は姉に頼まれて裁判を起こしたんですな。母親は姉の延命のために必死になっているけど、姉は同じ白血病だった彼氏に先立たれるわ、治療はキツイわ、妹から腎臓取るのも可哀想だわで、「もういい加減死にたいッス…」という心境だったと。「なるほどね~」とは思ったけど、やっぱり「そんなのちゃんと会話して伝えろよ」って突っ込んじゃいますな。父親の「何百万回も言っていた」的な台詞があったけど、「訴える云々までエスカレートすることないだろ」って思う人は僕だけじゃないと思うんだよなぁ。そうなると映画にならないけど。

つーか、健康な体にメスを入れるだけでも大変なのに、腎臓を取るってかなり大変ですよ? いくら姉が死ぬからって、そんな過酷なことを親が強制していいのかよって思うんですよ。百歩譲って妹が泣きながら「私の腎臓をお姉ちゃんにあげて!」的なことを言うならまだ考えなくもないけど、あのキャメロン・ディアスみたいに強制する母親ってのは酷すぎる。自分が実際にその立場になったら難しいんだろうけど、「腎臓を姉に移植しないとは何事だ!」みたいにキレるってのは異常にしか見えなかったです。細かいところをつつくと、弁護士がてんかんとか、弟が夜の街を徘徊するとか、必要があるんだかないんだか的な描写が多いのもどうかなぁと思いました。

まぁ、役者さんたちは結構良かったと思いました。妹役のアビゲイル・ブレスリンは「リトル・ミス・サンシャイン」の子なんですね。昔から可愛かったけど、さらに可愛くなりましたな! 弁護士役のアレック・ボールドウィン、スゲー太っていてビックリしたけど、存在感がありました。お姉さん役のソフィア・ヴァジリーヴァも頑張ってましたな。

ニック・カサヴェテス監督の作品といえば、「ジョンQ」を観ております。主人公ジョンQの息子がボディビルファンという設定で、「ロニー・コールマン、体脂肪5%!」とかおかしな台詞を叫んでいた記憶があるんですが、違ったらスミマセン。

正直、感動したかしなかったかと言われれば、ちょっとジーンとはしました。映画の雰囲気自体はそんなに悪くなかったと思うし、家族思いの少女が鼻血とか出しまくって血とか吐きまくりながら死んだら、そりゃ悲しいですよ。ただ、グッとは来なかったって感じかなぁ。家族がやたら裕福感があるのも“リアルな困っている感”を感じられなくて微妙かと。

今回は観た環境も良くなかったかも。新宿ピカデリーは結構埋まっていましたが、まず携帯をマナーモードにしていて電源を切っていなかった人が少なくとも3人。上映中に携帯をパカパカ開く人が2人。そして後ろにはペチャクチャ喋る外人さんが2人(しかも上映終了後、飲み終わったペットボトルを席に置きっぱなし)。要は、ちょっとイライラしながら観ていたワケです。まぁ、仕方ないことですが…。

そんなワケで、僕はそんなには感動しませんでしたが、そもそもこの手の難病モノは苦手だったりするので、逆にこの手の映画が好きな人は観ても良いかもしれません。




心臓病の息子のためにブチ切れる父親! 途中までは面白いけど、ラストは予定調和過ぎな気が…。
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障害をもった少女と難病を患った母親が必死に生きる感動大作。
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ホースメン(ネタバレ)

ホースメン※映画の説明などを追記しました(12/17)

三角絞めでつかまえて-ホースメン

原題:The Horsemen
2008/アメリカ 上映時間90分
監督:ヨナス・アカーランド
出演:デニス・クエイド、チャン・ツィイー、ルー・テイラー・プッチ、クリフトン・コリンズ・Jr.、バリー・シャバカ・ヘンリー、ピーター・ストーメア、パトリック・フュジット、エリック・バルフォー、ポール・ドゥーリー、チェルシー・ロス
(あらすじ)
デトロイト郊外の凍った池で大量の血まみれな歯が見つかり、現場には「来たれ」という謎のメッセージが残されていた。その後まもなく、捜査を任された刑事ブレスリン(デニス・クエイド)のもとに奇怪な中年女性の死体が見つかったという知らせが入る。ブレスリンは一連の事件を新約聖書のヨハネの黙示録になぞらえたコンセプチュアルな犯罪だと推測するが……。(以上、エイガ・ドット・コムより)

予告はこんな感じ↓




15点


すみません、先週の話になりますが、「ホースメン」を観てきました。もちろんリック・フレアー、アーン・アンダーソン、オレイ・アンダーソン、タリー・ブランチャードの4人で構成されたフォー・ホースメンに関する映画ではないし、獣神サンダー・ライガー、故クリス・ベノワ、ディーン・マレンコ、ブラック・タイガー(故エディ・ゲレロ)のフォー・ホースメンについての映画でもありません。…って、プロレスファン以外はわかりませんな。

ホースメンってのは、聖書の「ヨハネの黙示録」に出てくる4人の騎士のことだそうで。キリスト教圏では結構有名なようで、プロレスラーのユニット名になったり、今回の「猟奇殺人映画」の題材になったりもするワケですな。ただ、日本人からするとこのタイトル、ちょっと間が抜けている感じがするというか。「競馬関係の人?」みたいな。

で、とりあえず感想なんですが…酷いと思いました。まずCMでチャン・ツィイーが犯人だということがネタバレされているので驚きがまったくないし(まぁ、序盤で明らかにはなりますが)、登場人物が少ないせいでデニス・クエイドの息子が犯人というのもバレバレというか。宣伝では「SAW」とか「セブン」とかを引き合いに出していたけど、あの2作品と比べてもまったく驚かなかったし、斬新さも感じませんでした。

とにかくシナリオに無理がある気がします。インターネットの「家族との関係がうまく行かなくて寂しいです掲示板」で知り合った人たちが協力して犯行するんですが、チャン・ツィイーの動機(義父がレイプし、義母は見て見ぬフリ)はまだ納得が行くとして、他の人たちの動機が弱いというか。「兄がゲイの自分を軽蔑する」「親が構ってくれない」という動機で自殺する人はいるのかもしれないけど、「ここまでやるか?」という感じがどうにも拭えないんですよ。SMの吊り具を使うとか、犯行自体もどう考えても足がつくだろうと思うし。デニス・クエイドが歯科法医学に詳しいという設定もそんなに生かされていなかったし(最初くらい)、僕的にこの映画、猟奇殺人映画のための不自然な設定と不自然なキャラクターだらけな感じがしました。あと、残す必要性がまったく感じられない「COME AND SEE」という犯人からのメッセージもどうかと思います。ちなみにCMでやたら連呼されていましたが、あれを聴くと同じリズムの「ランランルー」を思い出しませんか? まぁ、非常にどうでも良い話ですが。

※ちなみにドナルドの「ランランルー」↓




おすぎさんは評価しているようですが、僕的にはチャン・ツィイーの殺人犯演技もベタ過ぎてちょっとキツかったです。というか、もう「ゲームをしよう」的な犯人って、よほど脚本がしっかりしていないと、ベタ過ぎてちょっとキツい感じがします。役者で良かったのはデニス・クエイドと相棒刑事役のクリフトン・コリンズjr. ですかね。クリフトンは「サンシャイン・クリーニング」でもカッコ良かったなぁ。

最後、息子は助かったんですかね? 死んじゃったんですかね? 何はともあれ、結構ヒマでこの手の映画がそれなりに好きか、皮膚に鉤針を刺して吊るSM描写が好きな人以外は観ない方が良いんじゃないですかね。ちなみにバルト9で観たんですが、なんと観客は僕を含めて4人でしたよ! って、たいしたオチじゃないですよね…。





猟奇殺人映画といえば、やっぱりコレですよね? 劇場で見たときは犯人への怒りのあまり鼻血が出そうになりました。
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確かに面白いし最後はビックリしたけど、矛盾もかなり多いですよね。
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猟奇殺人の元祖といえば「切り裂きジャック」! 名著としか言いようがない作品です(映画は除く)。
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マイケル・ジャクソン THIS IS IT(ネタバレ)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT※映画の説明などを追記しました(12/18)

三角絞めでつかまえて-THISISIT

原題:This is It
2009/アメリカ 上映時間111分
監督:ケニー・オルテガ
出演:マイケル・ジャクソン
(あらすじ)
2009年6月に急逝したマイケル・ジャクソンが、同年夏にロンドンで開催するはずだった幻のコンサート「THIS IS IT」のリハーサルとその舞台裏を収めたドキュメンタリー。100時間以上に及ぶ楽曲とパフォーマンス映像や、舞台裏でのマイケルの素顔を記録。(以上、エイガ・ドット・コムより)

予告はこんな感じ↓




80点


ちょっと前に観たんですが、11月中に見た映画の感想は全部残しておきたいと思っているので、とりあえず書いておきます。

マイケル・ジャクソンといえば、リアルタイムで「スリラー」や「BAD」のブームを体感しているので、僕と同じ世代の人は「スゲえっ!」というイメージが強かったと思います。僕もそれなりには好きで、メガドライブのゲームをやったり、92年には東京ドームにコンサートを見に行ったりもしました。ただ、コンサートの終盤、大きい地球の風船を子供たちと手をつないで囲んだりするのがどうにも生理的に受け付けなくて、僕の中のマイケル熱がちょっと冷めたりもしました。

で、年月が経つにつれてワイドショーの情報を鵜呑みにするようになり、気がつけば「整形好きの変人」「士道館空手名誉五段」などのイメージしかありませんでした。なんか金持ちファン相手の40万円イベントとかも非常に嫌な感じがしたっけ…。

…がしかし! 僕が大好きなラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」でのNona Reevesの西寺郷太さんによる「マイケル・ジャクソンと小沢一郎についての一考察」を聴いてから、マイケルがエンターテイナーとして超一流だったということにあらためて気付かされまして。最近は僕の中で再評価の機運が高まっていただけに、今年亡くなったのは非常に残念でありました…。

というワケで、「THIS IS IT」を観たんですが…非常に良かったですよ! 限られた素材と時間しかなかったのに、マイケルの音楽家としての魅力が溢れる見事な映画になっていて、本当に素晴らしかったです。できれば西寺さんの解説が入ったバージョンも観てみたいと思いました、無理ですが。リハーサル映像なので、物足りないと思う人もいるかもしれませんが、僕的には死の直前にベストを尽くそうとするマイケルの姿にグッと来たというか。例の「子供&地球大好きアピール」もあそこまで徹底していると逆に清々しく感じました。見終わった後、何か自分の中で1つの青春が終わったような気持ちになって、ちょっと寂しかったなぁ…。まぁ、宇多丸さんの批評が例によって非常に面白いので、興味がある人は聴いてみてください。

ただ、僕は新宿ピカデリーで観たんですが、前で携帯をパカパカ開ける人はいるわ、途中退席するカップルはいるわ、あまりマイケルに興味がなかった人(?)がいたせいか、彼らのせいでちょっと気をそがれたのが残念です。とりあえずマイケルに興味がある人はかなり楽しめる映画だと思います。




ラスト、いきなりロボットにトランスフォームしたのはビックリ。リアルタイムで友人と見たんですが、「ふざけんな!」と怒った思い出があります。今、見直すと許せるのかしら?
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未見ですが、かなり良いらしいので、買おうと思っております。
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