親子の夢が音もなく消え去りました…

地区予選2回戦敗退

試合終了と同時に目を閉じ自分を責める

勝たせてやれなかった…

もっと一緒に稽古をしてあげられてれば…

もっともっと教えてあげられてれば…





1回戦は無難に2本勝ち

2回戦の相手は強豪校の大将
(後に行われた関東大会県予選で大将戦となり2本勝ちを納め関東大会出場を決めた実力者)

序盤息子は得意技の小手面で勝負に出るが
小手払い小手で一本を取られた

完全に読まれていた
読まれていなければ打てない応じ技
息子の勝負技を知っていて待たれていた…
初めて返された
さすが実力者の見事な一本だった


息子は攻める攻める
怒涛の如く攻める

しかし相手は完全に守りにはいる
亀になって守る

相手が空費の反則を取られる

更に攻める

試合終了間際 面に打ってでるが
無情にも終了のブザーが響く


息子はよく戦ったと思う
一本を取られたが
相手が守らなければ取られると思う攻めだった

実力者の相手を攻めぬき、亀になって守らせ
空費の反則を取られるまで相手を追い込んだ
その攻めを私は評価していた

しかし一本に繋がらなかった…

私は昨年2度病に伏せてしまい更に左足親指の骨折で
5月から防具をつけて一緒に稽古をしてやれなかった

稽古ができていればもっともっと教えられたはず
亀の崩し方も完全に教えられたはず

息子が剣道を始めた中学1年から打たせて打たせて
教えてきた
右手が腫れるほど打たせた
しかし高校剣道最後の1年間それができなかった

息子はやれる事は全てやってきた
私が言った稽古メニューも全てこなしてきた
しかし私は…

自責の思いが駆け巡ります


面を外し私の方に歩いてくる息子

唇を噛み締めて歩いてきます

『親父様…』

息子が言いたい一言はわかっています。

しかしそれを言わせてはいけない

『なぜ負けたか自分でわかってるか?』

『攻めが浅いうちに勝負に出てしまった。
   早めに一本取らなけれはと焦りが出た』

『そうだな。あと最後の打突なぜ途中で抜いた?』

『ブザーが聞こえて終わったと思った…』

『打突時のブザーは一打有効とみなされる。
   最後まで打ち抜け。
   あの面最後まで打ち抜けば旗上がったぞ。
   最後まで打ち抜け。
   わかったか?』

   『…わかった』


今回の試合を見て改めて考えた

守りきる相手から一本を取る

それが本当に強い剣道なのではないか


関東大会出場の夢は実力に反し予選の舞台にすら立てない結果で終わってしまいましたが
新たな課題を見いだし新たな目標に向かって歩む

まだ足の傷は完治していないけれども
インターハイ予選までには防具をつけて稽古してあげたい。


しかしその後1ヶ月間息子が私が思っていた以上に成長していた事を実感しました。
私が教えてきた事が間違えではなかった
私が教えた事以上に自分のものにしていた
息子は身をもって示してくれました。