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大宮パン教室 西村きみこです。
今月チャバタのレッスン時に『モルトって何ですか?』とご質問頂いたので、こちらでもご紹介します。
モルトとは、【麦芽】のことです。
具体的には大麦の麦芽です。
麦芽が発芽する時には、もの凄いエネルギーが必要になります。
そのエネルギー源をどうするかというと、胚乳のでんぷん質をアミラーゼという酵素で分解して麦芽糖に変え栄養源とするのです。
ですので、モルトには麦芽糖とアミラーゼが含まれています。
モルトにはモルトパウダーと言われるパウダー状のものと、モルトシロップと言われる茶褐色のドロっとした液体状のものがあります。
モルトパウダーは冷凍保存が出来るので、私はパウダーを使用していますよ^^
チャバタやハード系パンの配合を見ると、砂糖が入っていないことが多いです。
パンを膨らませる酵母菌は、糖分を栄養源にして炭酸ガスとアルコールを発生させます。
砂糖が配合されていない場合には、モルトが酵母菌の栄養源となり発酵を助けますよ^^
また、生地中の糖分が増えるので焼き色も濃くなるのです。
では、モルトがないと砂糖の入っていないパンは膨らまないか?というと、実は膨らみます。
何故かというと、小麦粉の中にもでんぷんを分解する酵素アミラーゼは含まれているからです。
ただ炭酸ガスの発生が弱いので、発酵に時間がかかります。
モルトパウダーの使い道のご質問も頂きました。
ハード系パンだけでなく、デニッシュ系やクロワッサンを作る時にも使います。
0.2〜0.3%くらいモルトを入れると皮がパリッとする印象があります。
ベーグルを茹でる時にも、はちみつや砂糖の代わりに0.3%のモルト溶液にして使います。
プリッとして艶が出ます。
また、製菓材料店などで売られている【準強力粉】や【フランスパン用小麦粉】には、モルトパウダーが配合されている粉もありますので、そんな商品を活用するのもおすすめです。
まとめると、
モルトとは大麦麦芽。
麦芽糖とアミラーゼが含まれている。
主にハード系パンに使われる理由は、
発酵を助ける。
焼き色をつける。
皮をパリッとさせる。
モルトがない場合、一番手軽なのは最初からモルトパウダーが配合されている【準強力粉】や【フランスパン用小麦】を使うこと。
パン作り初心者さんの参考になれば嬉しいです^^