置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


住民から依頼を受けた場所へ、給餌に向かう途中。

限られた時間が、容赦なく迫る。

ここを通り抜けるしか、道は無い。


ひび割れに挟まって帰れなくなったら、

圏内に残されて、餓死した動物たちの気持ちが

少しは分かるだろうか。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


週の途中に降った雪が、道路を白くする。

以前にはなかった、冬期通行止めのバリケードが

そこここにあり、迷路から出られなくなりそうな恐怖に背筋が凍る。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


給餌依頼のあったお家から近距離。

原発より13km~14km地点。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


ファーム・サンクチュアリ。

300頭あまりの牛たちをどうしても生かしたいと、

牧場主さんとその活動を応援する人たちが始めたプロジェクト。

そこには凍てつく中でも、のんびりと牧場に佇む牛たちの姿。


大規模な牧場主さんが、必死に戦い守り抜いた結果。

小規模な酪農家さんは、諦めるという選択肢しか与えられなかった。

もし、選択肢があったとすれば、牛舎につないだまま諦めるのか、

縄を解いて祈るのか、のどちらかだった。


圏内には本当に沢山の離れ牛がいる。

その中に、警戒区域になってから産まれただろう、子牛がいて、

群れでその子を守るように動いている。


今では、クルマや人間が近づくと大急ぎで逃げ去る牛たち。

人間が敵でしかないことを、知ってしまったのですね。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~