フードと一緒に置いてある、水さえも凍てつく零下の圏内。
よく今日まで生きていてくれたね。
給餌に入ることの難しかった場所で。
だから、そんなに見つめないで。
圏内の検問を出てすぐのところで
アニマルエイドSさん、LYSTAのSさん、
個人ボランティアKさんが保護した
圏内から脱出してきたであろう犬。
自分の血に変えて・・・
この子を保護するために放った、ネットランチャー。
ところが不測の事態が・・・。
本体からぷっつり切れてしまったネット。
ネットを体に巻きつけたまま逃走するこの子を
犬以上のスピードで追い上げ、無事保護した3人。
どうしても逃す訳にはいかなかった。
その一部始終を知ったある人物から、戒めの言葉があった。
犬を危険にさらしての保護であることや、
そのやり方は急激であり、徐々に慣らす方向で
餌やりをしていた人がいたことなど。
それを静かに聞いていた彼女たち。
その通りだと頷いていた。
その時、個人ボランティアKさんの手からは、
血が滴っていた。
保護の際、ぱっくり噛まれた傷跡。
彼女たちの行動をそんなふうには思わない。
少なくともわたしは。
わたしには、犬の保護の知識は何も無いけど。
若い彼女たちが、自分の命を縮めても、
毎週圏内に入り、そして保護した犬や猫を
大事に面倒見ていることを知っているから。
ただただ、まっすぐに、救いたいと思ったから。