雪景色がキレイだなんて、
今は感じること、出来ないよ。
必死に生きようとする体を凍えさせる。
春が来て、真っ白な雪が何もかも、
放射能さえも溶かしてくれたら、
雪も悪くないね、と言えるのに。
こんな場所にだって・・・ほら。
たまたま通ったこの場所で
たまたま見つけたキジトラ猫。
この雪が、真綿だったらどんなにいいだろう。
君を包んで温める。
この手に抱かせてくれたら、
すぐに連れ帰ってあげられるのに。
フードを置こうとすると、超スピードで走り去る。
姿が見えなくなった場所までクルマで近づき
フードを置いて次の地点へ。
お昼近く、日向の雪が解け出した時間。
橋をゆるゆる渡るぶち猫。
後をつけて、姿を消した民家の軒下にフードを置く。
この場所は、新しいポイントにして、
また今度、必ず来ると約束するね。
2月5日に見つけた、浪江駅そばのキジトラ猫。
必ずまた来る予感がして、捕獲機を掛ける。
チラつく雪に、生き物の気配はない。
フード袋は空っぽのまま、
長い時間待たせてしまったことを後悔する。
もう諦めて、どこかに行ってしまったの?
わ~い!
超キュートなキジトラちゃん。
君はまさしく、2月5日に見た子。
てへへ。
つかまっちゃったみたい
雪は嫌い。
生きてるってこと伝えてくれるけど。
田んぼの中に、道路に、
たくさんの猫を見た今日。
その度に、フードは置いてくるけれど、
今日出会ったことも偶然、
そしてそれが最初で最後になるかもしれない。