置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


雪景色がキレイだなんて、

今は感じること、出来ないよ。

必死に生きようとする体を凍えさせる。


春が来て、真っ白な雪が何もかも、

放射能さえも溶かしてくれたら、

雪も悪くないね、と言えるのに。


こんな場所にだって・・・ほら。










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


たまたま通ったこの場所で

たまたま見つけたキジトラ猫。


この雪が、真綿だったらどんなにいいだろう。

君を包んで温める。


この手に抱かせてくれたら、

すぐに連れ帰ってあげられるのに。


フードを置こうとすると、超スピードで走り去る。

姿が見えなくなった場所までクルマで近づき

フードを置いて次の地点へ。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


お昼近く、日向の雪が解け出した時間。

橋をゆるゆる渡るぶち猫。

後をつけて、姿を消した民家の軒下にフードを置く。











置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


この場所は、新しいポイントにして、

また今度、必ず来ると約束するね。






2月5日に見つけた、浪江駅そばのキジトラ猫。

必ずまた来る予感がして、捕獲機を掛ける。

チラつく雪に、生き物の気配はない。


フード袋は空っぽのまま、

長い時間待たせてしまったことを後悔する。

もう諦めて、どこかに行ってしまったの?


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


わ~い!

超キュートなキジトラちゃん。

君はまさしく、2月5日に見た子。










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


てへへ。

つかまっちゃったみたいむかっ










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


雪は嫌い。

生きてるってこと伝えてくれるけど。


田んぼの中に、道路に、

たくさんの猫を見た今日。


その度に、フードは置いてくるけれど、

今日出会ったことも偶然、

そしてそれが最初で最後になるかもしれない。