20km圏内、警戒区域。
小高のあるお寺にて撮影した仏像。
レスキューの途中。
まだ、夜も明けきらぬ時間だった。
写りこんだふたつの光。
助けられなかった命なのか、
彷徨う霊なのか。
以前にも、どこかで見たような記憶が・・・。
あった!
同じものが写りこんでいる。
どちらも、神聖な場所。
浮かばれない霊がいても不思議ではない。
以前読んだ本。
中世、イタリアで実際に、
僅かなパンだけを与えて、
生きたままの人を、
お城の壁に埋め込むという、
残酷な事実があったという。
確か、男と女が絡んだ愛憎劇だったと記憶している。
生きたまま壁に埋められた人。
置き去りにされた動物たち。
時空を超えて繋がる共通点。
時が経てば、あまりに残酷な事実でも、
語り継がれるだけの昔話。
それは、昔話でも物語でもない。
今、現実に起きていること。
語り継がれることさえなく
人知れず、消えていく命。
骨は土に返り、そこにいた痕跡さえも
消してしまう。
どうすれば、もっともっと救い出せるのだろう。
誰か、答えを教えて下さい。