置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


20km圏内、警戒区域。

小高のあるお寺にて撮影した仏像。


レスキューの途中。

まだ、夜も明けきらぬ時間だった。

写りこんだふたつの光。

助けられなかった命なのか、

彷徨う霊なのか。


以前にも、どこかで見たような記憶が・・・。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~
2009年、ミラノ、ドウオモにて撮影。


あった!

同じものが写りこんでいる。

どちらも、神聖な場所。

浮かばれない霊がいても不思議ではない。


以前読んだ本。

中世、イタリアで実際に、

僅かなパンだけを与えて、

生きたままの人を、

お城の壁に埋め込むという、

残酷な事実があったという。

確か、男と女が絡んだ愛憎劇だったと記憶している。


生きたまま壁に埋められた人。

置き去りにされた動物たち。

時空を超えて繋がる共通点。


時が経てば、あまりに残酷な事実でも、

語り継がれるだけの昔話。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~
明け方、クルマの到着を待ってた猫。目の前で捕獲機に入る。


それは、昔話でも物語でもない。

今、現実に起きていること。

語り継がれることさえなく

人知れず、消えていく命。

骨は土に返り、そこにいた痕跡さえも

消してしまう。


どうすれば、もっともっと救い出せるのだろう。


誰か、答えを教えて下さい。