置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


ずっと待っているんだ、飼い主さんのことを。


桜が咲いて、蝉が鳴いて、落ち葉に包まれて、

横殴りの雪に体を凍らせて、もう一年。


クルマのエンジン音を聞くたびに、

やっと迎えに来てくれたんだと思うんだけど、

今日もまた、置いていかれちゃったみたい。


それでも、信じているんだ、今も・・・。










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


降りしきる雪。

給餌場所からUターンすると、

さっきわたしのクルマが付けたタイヤ痕。

その轍に沿って歩く毛長の三毛猫。

何度もこちらを見ながら木立に消える。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


牛たちも必死に食べものを探し駆け回る。

前回、わたしが置いていった僅かのフスマ、

すっかり消えている。

大きなトレーラートラックが運転できる免許と、

たっぷりの干草があったら・・・。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


僅かに残る青葉を

大事そうに食べる離れ牛。

びしょぬれの体。

どんなにか冷たくなっているのだろう。



囲い込み柵にいる牛たち(ブログ”忘却”に出てます)が、

毒殺されてしまうこと、

誰も止められないなら、

せめて屋根を付けて下さい。

死んでいく牛たちに、

雪やみぞれがかからぬように。


雪の中を一晩、

洋服一枚で立ち尽くしていたら、

きっと牛の気持ちが分かるでしょう。







高速での帰り道。

SAであったかいうどんを食べたんだけど、

緊張の糸が解けたのと一緒に、

自分だけこうして、美味しいものを食べて

体を温めて・・・。

何だかいたたまれない気持ちになってしまった。


それでも、

ひとつはいいことがあったんだ。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


こっち向いて!みけちゃ~んハアト







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


アタシ、本格的に怒ってますからむかっ

耳倒して、ヘビさんに変身!


みけちゃん、

4月の警戒区域再編により、

バリケードで覆われてしまう場所での保護。

クルマの音に、待ってました~と登場。

自分の未来を予感して、

自分から捕獲機に飛び込んできた、
運の強い子。


さすがに、アニマルエイドのシェルターはいっぱい。

本当はもう限界だったはずなのに、

無理に連れて行ってくれた柴田さん。

みけちゃんを家族に迎えてくれる方募集中です。


*上の写真、ブルーアイの子も

 すぐ保護できそうな気がします。

 小鳥宛に予約してね!