置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

夜明けの警戒区域、20km圏内への道。











置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

たくさんいた離れ牛。

今では数少なくなってきた。

殺処分が進んでいるのだろう。

浪江町某所。

殺処分柵から逃れて生き抜くたくましい牛たち。

クルマを止めて、200m以上離れている牛たちに

「おいで~」と手招きする。

こちらをじっと見ながら段々と近づいてくる。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

ほんの少しだけどプレゼントだよ。

ぬかにペットボトルの水を含ませる。

アニマルエイド隊員、Kさんがわたしに持たせてくれた。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

気に入ってもらえたみたいだね。












置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

口のまわりをぬかだらけにしながら、

何かわたしに訴える目。


今度はもっとたくさん運んでくるね。

だから、必ず生きてて欲しい。










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~
谷津田で見つけた殺処分柵


一頭もいないことに安堵する。

死んで行く牛を見るのは辛過ぎるから。


明け方0℃だった気温、

昼ちかくに緩み始める。


田んぼの中でたくさんの猫を見た。

すばしっこくてなかなか捕まらない損な猫。

アニマルエイドで

KMO(可愛いのに目立たないから惜しい猫)

シリーズをやっているが、

こちらはSTS(すばしっこくて捕まらないから損な猫)

とでも名づけて紹介したいところだが、

写真を撮ること自体不可能なのだ。





今日は約束通り迎えに来たよ。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~
3月10日レスキューで玄関先で待ってた子


クルマの中でそっと様子を窺っていると、

捕獲機の周りを警戒しながら歩く

ブルーアイのしろちゃん。

踊り出しそうになったわたしであったが

目の前の道路を警察車両が・・・・。

また、捕まる~~。

しろちゃん、入って!警察早くあっち行って!

咄嗟に助手席に倒れこみ体を隠し息を殺す。


今日は、一人で行動しているから

いいものの、いい年の女がクルマの中で

ドタバタ。

警察はわたしに気づかず、去ったようだ。

ほっと胸を撫で下ろす。


それにしても用心深いしろちゃん。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

置き去りにされたたくさんの猫たち。

しろちゃんはそのうちのたった一匹。

されど唯一の一匹。










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

しろちゃんはブルーアイ。

でもね、

赤目になったり、キャッツアイ色になったり

目の色が七変化。

こんなお宝は、本当は誰にもあげたくない気分。

でも、柴田さんにお願いしたんだ。

絶対に幸せになれる子だと、確信してるから。


だいぶ汚れて怪我もしてる。

ちょっと痩せたみたい。


しろちゃん、

必死に生きてきた、ただひとつの命なんだ。