桜のつぼみが
ようやく膨らみ始めた警戒区域。
待ち遠しかった春の訪れを
また冬に連れ戻すかのような冷たい雨。
一週、お休みしたせいで、
自分で決めて回っている給餌ポイントは
どこも空っぽになったままのフード袋。
民家で茶トラ猫を見つけ
捕獲機を掛けるが、タイムアウト。
同じ場所にいた黒猫と目が合う。
大堀まで進んでいくと・・・。
「ねえ、ねえ、どうする?」
「やばくない?」
「いっちゃう?」
仲間同志で以心伝心の離れ牛。
クルマからぬかの入った袋を運ぶ
わたしのこと、見てないふりして、
しっかり見てる。
いっちゃった!
結構大胆。
ふがふが。
ぱふぱふ。
生まれて来たときから
ただ食肉になる為だけに育てられることが
あまりにも理不尽な
賢くて、やさしい動物・・・。
富岡町は、牛の殺処分を取りやめたと報道されたが、
浪江町はまだ、囲い込みをしているのだろうか。
一体何の為に?
どうして、こんな大事な決断を
生かすことの決断を
国として指示出来ないのか。
地方自治体に任せることなのか。
この国の大人がしていること、
子ども達に語れるのか。
3月に猫を見かけ
新しい給餌ポイントになった場所に
クルマをつけると・・・。
横たわるタヌキの赤ちゃんに
誰かがかぶせてくれたタオルのお布団。
顔にぱっくり噛まれた痕。
今日の雨は、
涙の雨。
原発のせいで
死んでいった動物たちが
流した、たくさんの涙。
潰れそうなココロのまま、
帰るわたしに、
ふらふらした足取りの柴田さんが
教えてくれた。
グレイちゃんが、貰われていくことと、
ブルーアイのしろちゃんが3日前から
こころを許してきたんだって。
(二匹とも3,4月に保護した子)
それだけで、ちょっと救われた気がした。
でも、わたしはすごく心配だよ。
高速道路で運転しながら寝てるあなた!
ふらふらになって、それでも福島に
通い続ける柴田さん。ううう・・・・。