置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

桜のつぼみが

ようやく膨らみ始めた警戒区域。

待ち遠しかった春の訪れを

また冬に連れ戻すかのような冷たい雨。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

一週、お休みしたせいで、

自分で決めて回っている給餌ポイントは

どこも空っぽになったままのフード袋。


民家で茶トラ猫を見つけ

捕獲機を掛けるが、タイムアウト。

同じ場所にいた黒猫と目が合う。








大堀まで進んでいくと・・・。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~
ぬかを見つけた離れ牛。


「ねえ、ねえ、どうする?」

「やばくない?」

「いっちゃう?」

仲間同志で以心伝心の離れ牛。

クルマからぬかの入った袋を運ぶ

わたしのこと、見てないふりして、

しっかり見てる。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

いっちゃった!

結構大胆。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

ふがふが。

ぱふぱふ。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

牛の目ってね、すごく澄んでいるんだよ。

生まれて来たときから

ただ食肉になる為だけに育てられることが

あまりにも理不尽な

賢くて、やさしい動物・・・。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~
囲いこみ柵に近づく親子。浪江町某所


富岡町は、牛の殺処分を取りやめたと報道されたが、

浪江町はまだ、囲い込みをしているのだろうか。

一体何の為に?

どうして、こんな大事な決断を

生かすことの決断を

国として指示出来ないのか。

地方自治体に任せることなのか。


この国の大人がしていること、

子ども達に語れるのか。






3月に猫を見かけ

新しい給餌ポイントになった場所に

クルマをつけると・・・。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

横たわるタヌキの赤ちゃんに

誰かがかぶせてくれたタオルのお布団。

顔にぱっくり噛まれた痕。


今日の雨は、

涙の雨。

原発のせいで

死んでいった動物たちが

流した、たくさんの涙。



潰れそうなココロのまま、

帰るわたしに、

ふらふらした足取りの柴田さんが

教えてくれた。

グレイちゃんが、貰われていくことと、

ブルーアイのしろちゃんが3日前から

こころを許してきたんだって。

(二匹とも3,4月に保護した子)

それだけで、ちょっと救われた気がした。


でも、わたしはすごく心配だよ。

高速道路で運転しながら寝てるあなた!

ふらふらになって、それでも福島に

通い続ける柴田さん。ううう・・・・。