置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

一体誰に見せる為に咲き誇るの?

わたしだけが独り占めにした

20km圏内、あるお家の藤の花。






その藤の花のそばで、待ち続ける猫がいた。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

一年と少し。

途方もなく長い時間が過ぎていったね。


ここは昨年、ウッドデッキで

息絶えてた猫を見つけたすぐそば。

ずっと給餌に訪れていたが、

全く生き物の気配がなくて、

それでもフードはいつも空っぽで、

そろそろ行くのを辞めようかとも思っていた場所。

通い続けていて良かった。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

見えますか?

ここにいるよ、確かに・・・。


この場所のすぐ近くの道路を

這いつくばるようにして歩いてる

グレーの猫も見た。

もう、イタチかテンのような

野生化した猫だった。

本当は人間に

愛されて生きるはずの愛玩動物が、

置き去りにされたら、

運命を受け入れて、

そうやって生きるしかなかっただろう

ただ必死に。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

ここだけは天国のようだね。


でも、ここまで辿り着くのはかなりの恐怖。

線量の高い場所を通り、いくつかの

バリケードを突破しなければならない。

ここにも、待ってる命があるから、

フードを届けに行くのです。

今日の最強のミッション!

小鳥、がんばりました。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

牛達のいた天国から近い場所。

線量、結構高いような気がする。

鼻血が出そうガーン

白血病の恐怖よりも、一年経った今でも、

数え切れない猫が必死に生きているのを

この目で見て、途方に暮れて

先が見えないことに恐怖を感じる。

犬も少なくなったとはいえ、

今日、南上の原の団地に

走り去る黒と茶の霜降りワンコを目撃してる。

ぼ~っとした頭で運転してると・・・・。



おやおや。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

何か食べ物はないかな~とフラフラした足取りで歩く

痩せた薄きじとら猫。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

持っていたカルカンの缶詰をあげると

逃げる様子もなくガツガツ平らげる。





どうやら、

沈んでばかりいられない。

わたしに出来る事、

コツコツやっていくしかないでしょう。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

救いたい命、

まだまだあるから。