置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


早朝、雨が上がった警戒区域。

ついさっきまで、ここに居たんだね。

生きてることを伝える小さな手掛かり。

そばにはほやほやのうんちも。



6月、二匹の猫と出会い、

それから新しい給餌ポイントになった場所。

ワンコも来ていると確信する。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

途中でクルマを乗り捨て、

歩いてこの奥にある民家へ向かう。

こんな所にも祠?今まで気が付かなかった。

先月、野生のイノシシが

ゆるゆる道路を横切るのを見てから

突然襲われる妄想に駆られ、

草木の揺れる音にさえ油汗が出る。

人間以上に怖い生き物なんてないのだけど。



この場所の近く、

別世界のごとく牛たちが暮らす場所がある。

先週、ここを訪れた桜ママが、

牛が一頭もいないことを心配してた。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


安心して・・・。

ちゃんと生きてるから。

子牛ちゃんはピョンピョン跳ねてたよ。


大熊で殺処分を待つ柵の中の牛たちに、

自分達が最後に出来ることとして、

ヌカやキャットフードをあげている

桜ママと佐々木さん。


子牛を抱っこして、

何処かに連れ去りたいという気持ちになる。

週末、悲しみは津波のように襲ってきて、

そして波は引かないまま、

平日は何事も無かったかのように笑って日常を生きる。

けれどこの傷は、もう二度と癒すことなど出来ない。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

谷津田にて


今まで、ただ通り過ぎてた場所で

ひょっこり出てきた薄三毛ちゃん。

以前、柴田さん達が見た

後ろ足がひとつ無い子かもしれない。


これからは、必ずここにご飯を届けるよ。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

川添にて


雑草さえ無ければ、どこにでもある

ありふれた住宅街の長閑な昼下がり。

短い夏はすぐに終わり、凍てつく長い冬が

巡ってくる。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


前回(6月23日レスキューで登場)

急いでご飯を食べに来た子。
今日も、道端でちょこんと待っていた。


今度、また会えるよね。

遠く離れていても、今夜は君のこと

考えながら眠るよ。


いい夢見てね。

おやすみなさい  三日月