置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


明け方の気温16℃。

7月とは思えない冷たい雨の警戒区域。

行き交う車も無く、動物たちも見当たらない。

自分だけこの場所に取り残されたような

圧倒的な孤独感。


こんな日は、

とにかく急いでポイントを回って

早く帰ろうとするわたしのクルマの前に・・・。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


今日が3回目だね。

必ずわたしの前に出てきてくれる。



ずぶ濡れになって

生きること、諦めたかのような

寂しげな表情。


その身体

温めてあげる術もない。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

一回目、6月23日レスキューの時。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

二回目、7月8日レスキューの時。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


そして、今日。

わたしにできることは

クルマから降りて、これ以上ぬれないように

民家の方へ誘うことくらいだった。


シェルターに空きが出来たら

必ず迎えに来るから。

それまで、必ず生きててね。


ドライフード以外に

カルカンの缶詰をおみやげに置いていく。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

大堀にて


そして、お昼近くにやっと雨が止む。

雨が止んでから6匹の猫と会う。

双葉町で黒い子猫も見た。


きりのない給餌。

いつか自分と折り合いをつけて

福島行きを辞める日が来るだろう。

警戒区域を出てから落ち合った

桜ママとそんなことを話す。

「5年かな~」と、桜ママ。

うっそ~ガーン


続きはまた・・・。