置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


うわ~

ここはジュラシック・パークですか?

雑草が無敵にはびこる警戒区域。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

R6沿いに、これまでに3匹の猫と出会った場所がある。

昨年から定点にして回っていたが、カラスに見つかってしまい

どうしたらいいかずっと考えてた。

R6沿いというのがまたやっかいで、警察車輌がぶんぶん通る。

ストレス度、満点のポイント。


そこで、今日はR6からちょっとだけ横道に入ってみる。

そこは今までフードを置いてたポイントの真裏。

奥深いゴミバケツをうっそうとした木陰に置いて・・・

中にフード。

成功を祈る!





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


あ~、夏が止まらない。

乾ききった地表が動物たちを苦しめる。

何かひとつでも、君たちの味方になるものは無いのだろうか?

これでもか、これでもかと負荷をかけてくる。

フードと併せて、なるべく水も置いていく。




それは、幾つめかのポイント。

ノウゼンカズラの咲くお屋敷でのことだった。

お屋敷を守るかのように、突然の闖入者(わたし)を見て

吼えたてる大きなオス犬。

怖い気持ちの半分、

それはとても凛々しい犬で思わず見とれてしまった。

(その為、写真撮れず)

そして、別の気配を感じて横を見ると・・・。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


わたしのことじっと見てる首輪をしたメス犬。(多分、つがい)

これは、もう超タイプドキドキ

テディーベア風の毛色とつぶらなお目々。

結構大きな犬。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

ねえ、ねえ、ってわたしに話しかけようとしてたんだ。

でも、オス犬が、そいつは信じちゃダメなんだ!

行っちゃダメなんだ!って、吠え立てた。

しばらく、わたしたち見つめ合ってた。


一度裏切られたんだ、人間には。

信じられる訳なんてない。

一年半も置き去りにしたんだから。



すぐに桜ママに電話を入れる。

それから5分ちょっと。

地元の犬とり名人が駆けつけてくれた。

救急車より早い!


ところが、二頭はお屋敷の裏山に姿を消した後。

きっとまた戻るだろうと、フードと犬のガムを置いて一旦その場を去る。


その後、名人が再び訪れるとガムが食べられていたとのこと。

すぐに、捕獲器を掛けてくれたらしい。

結果を聞くのが待ち遠しい。




警戒区域を出る前に、保護依頼の飼い主さん宅に仕掛けた

センサー付きカメラを回収に行くと・・・。

あらら~。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


日陰で涼むはちわれちゃん。

この子、ただのぶち猫と見せかけて、

表現しがたい毛色の子。

墨をぼかしたみたいな不思議な感じ。

これは、一万分の一の確立でしか生まれない

天然記念物クラスだと思う。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


今日会えた記念に、缶詰をプレゼントする。

このそばには、にゃんだーガードさんの給餌機もあるし

アニマルエイドも毎週ここに立ち寄るから、

ゴハンには困らないと思う。


今日、一時帰宅があった大熊と浪江町。

たくさんの住民が帰宅されていた。

保護枠をもらっていたが、

腰を据えて掛けることが出来なかった。

また、数匹の猫との出会いがあった今日。


犬とり名人によると、まだまだ残ってる犬や猫がいて

夕方になるとわらわらと出てくるのだそう。

一見、ずい分減ったと思われてて、実は

まだ多くの犬と猫が命をつないでいる。


忘れたいこととして、風化させないで!

殆どの日本人にとってどうでもいいことだけど、

せめて、あなたにだけは見届けていて欲しいのです。