夜中の一時半、東京の家を出る。
いつもは爆睡してるクリーが、いってらっしゃいをしてくれる。
普段しないことをしてくれるから、これが最後のお別れかも・・・
そんな思いが頭をよぎる。
元気でね!クリー。
CDのヴォリュームをあげて頭を覚醒させる。
高速をひた走り、
雨降りも手伝ってまだ夜のままの警戒区域に
滑り込む。
キラ~ン
写真はちょっと怖いけど、はじめて会った
ロン毛の三毛ちゃん。なかなかの美猫。
いつも給餌しているこの場所に、
わたしのクルマの音を聞いて、
ご飯下さいな~、とやって来た。
実はこのポイント、AAAクラス(ムーディーズの格付けじゃないが)
の難関中の難関。
何てったって、警察車両が頻繁に通る場所。
心臓バクバクで捕獲機を掛け、走り去る。
朝がやって来たことに、気づかずにいた。
放れ牛に会うのは久しぶり。
殺処分柵を逃れ、子牛を守りながら必死に生きてる牛たち。
檻の中に閉じ込められ、監禁される日本の酪農なら
もしかして短い命でも、自由に生きられるほうがいいのかも。
圏内では30件近い、クルマと牛との衝突事故が起きていて、
殆どが原発作業員の車輌との事故。
もう、これ以上牛たちを虐めるのはやめてくれ!
もう残り少ない、生き残った牛たちすら生かすことが出来ない
器の小さいこの国。
零下の風の吹きすさぶ中、何日も置き去りにして
毒殺を繰り返していた場所(小六郎)が、今では警戒区域解除となり
あの悪夢は何だったのかと思わせる。
命はおもちゃじゃないし、人間が犯した罪は人間が償うべきだと思う。
はじめまして!ロン毛のサビちゃん。
早朝の雨はあがり、
たくさんの猫たちと会う。
この場所のそばで仔猫を見つけた為、
急いではじめに掛けた捕獲機を見に行くが
何かの刺激で入り口が閉まった状態で、
三毛ちゃんは保護出来ず・・・。
仔猫のいた場所に戻るが、気配は消えている。
小学校の敷地にある放射能測定器。
子ども達がここに戻ることはないだろう。
各場所の測定器の数値を見ると
ここからクルマで3分くらいの場所で、14μsv/hのところがあったり、
浪江駅そばの公園では、警戒区域ではない郡山より低い数値だったりして、
何がそうさせるのか、人間が創ったものに人間が翻弄されている。
わたしといえば、一台しか持たない捕獲機に翻弄される一日。
環境省の捕獲作戦のように、たくさんの捕獲機を設置して
時間に制限無く、警察車輌を警戒することもなく、
これまで見た子を一匹残らず
警戒区域から脱出させたい。