警戒区域になって訪れた、二度目の秋。
最近教えてもらった水場の、2軒隣のお家で
お母さん猫を探し
みゃ~みゃ~鳴いてる仔猫を発見するが
わたしが近づくと、納屋に姿を消してしまう。
あらら。
お母さんはあなたですか?
仔猫は白に茶色の斑が入ってたから
もしかしてそうかも・・・。
ずいぶん余裕だけど。
仔猫が呼んでましたよ!
そうそう、そっちの方で呼んでました!
カラスが鳴いているから、
早く迎えに行ってあげて頂戴ね。
誰もごはんを置いていなかったこの場所で
必死に繋いできた命。
新しいポイントがまた増えた。
そして、この場所でも・・・。
草むらの中、人間の気配に
まるでリスか野うさぎのようにすばしっこく逃げる
5匹の仔猫を発見!
アメショー柄と白黒ぶちのお目々クリクリちゃん。
この子たちならすぐに里親さんが決まると思い、
捕獲機(画面右下)を置く。
近くでお母さんが呼んでいる。
人間のところに行かないで~。
何度も捕獲機の周りに匂いを嗅ぎに来ているのに、
わたしが覗きに行って目が合ったり
午後3時まで格闘するが作戦失敗!
これが、犬の保護団体さんが言ってる
己の気配に負ける!ってやつかしら。
あ~あ、可愛すぎる写真も撮れず・・・。
いつも肝心の写真がない。
かなりブルーだわ。
最後にフードの空き袋をごみ置き場に置いて
手ぶらで帰る。
環境省がここに来て乗り出した、期限付き保護。
あと二日もないはずだが、
5匹の仔猫がいた場所について
何とか情報が伝わるように動きたい。
そして、わたしも次回に賭ける!
って、この鼻息の荒さが意外とダメなのよね~。
また、新しい命が生まれてる警戒区域。
圏内を走行中、毎週のように通ってる
もっち~さんとばったり遭遇し、少し話が出来た。
彼女は笑顔をうかべながらも
言葉を失うくらいのショックを受けていた。
たくさんの仔猫に遭遇するも、保護枠も無く、
このまま何処に流れ着くのだろう・・・
そういう目をしてた。
この国では若い彼女のような人が、被曝を承知で
しかも国からは違法な行為とされて動くしかないという事実。
美しい彼女の週末はデートではなく、警戒区域通い。
帰りの高速のトイレで、久々に自分の顔を見てぎょっとする。
蜘蛛の巣が張り付いた髪の毛と、ほっぺの流血。
セイタカアワダチソウが刺さったあと。
今夜、虚しさだけ、東京に持ち帰る。