7月なのに冷たい雨が降る日のことだった。
グレイのマーブルちゃんが顔を見せてくれたのは、
その日が三回目。
せっかく会えた日、保護枠は無く、
その後、保護枠がある日は、
この子を保護したくて
何度か捕獲機を掛けるが空っぽ。
600m以上の広範囲を行き来している様子なので
どこに捕獲機をかけるのかが難しかった。
雨に濡れたまま佇んでいたこの日を最後に
以後は、姿が見えなくなり、
9月29日に警戒区域に入った時、
この場所のそばで猫の骨が転がっているのを見つけ、
もしや・・・と半ば諦めかけていた。
はじめて会ったのは、夏が来る前だったね。
何度か顔を見るうちに、
会いたくて、会いたくて仕方がなくなる。
忙しい東京での暮らしの、ふとした隙間時間、
賑やかに騒いでたお酒の席を抜け出して
静まり返ったトイレで一人になった時とか
あるいは、眠りの前に本のページをめくろうとした時など、
どうしてるかな~と、切ない気持ちがこみ上げて来た。
もしかして?でも、まさか・・・
あれっ、と思ったままスルーしてた。
http://www.pref.fukushima.jp/eisei/douai/saigai/helpedanimals/cats/20389.htm
環境省と福島県の期限付き保護。
この子に間違いない。
他の写真とも照合してみる。
黄色くなった手足とグレイの模様。
この時より、ちょっと痩せたみたいだけど。
保護された場所も、ピタリと当てはまる。
少しだけ、ほっとする。
とりあえず、ご飯と凍てつく冬の心配は無くなったのだから。
あとは、このままケージが最後のお家にならないように、
運命の里親さんが迎えに来てくれたらいいのだけど。
本当はね、今すぐにでも飛んで行って
ギュッと抱きしめたい・・・
よくがんばったねって。