置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


一面、セイタカアワダチソウの世界。

昨年からここに通い始めて、

犬4頭、ネコ11匹を見ている場所。

これじゃあ、かくれんぼは終わらない。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


浪江町某所の牧場。

いつもこの場所を通るが、牛たちを見たのははじめて。

電気柵の隙間をぬって、外に飛び出した子牛が一頭。

ちゃんとママの所に帰ってね。


畜主さんが牛たちを守ってくれてる、数少ない場所かもしれない。

清里風の牛舎もあり、雨風もしのげる。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


そして、ここは別の場所。浪江の山あい。


結構、ストレス度の高い場所。

帰れなくなったら怖い場所ランキング一位。

細いくねった一本道に、通せんぼが二箇所。

山肌からせり出した岩が今にも落ちてきそう。


女子一人で行くには覚悟が必要な場所。

最近、別のボラさんが行ってくれてたので、

内心ほっとしていたが、今週は誰も行く人が無く、

実は半べそ状態・・・。


フードをクルマから降ろすわたしをガン見目する牛さん。

おうし座「モ~モ~」

何か、用事があるみたいだけど、急いでますので・・・。


この場所の牛さんは、電気柵の中で

守られているので安心。

そして、すぐそばにある放射線量測定器。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


ひえ~、噂には聞いていたが空間線量が結構高い。

24.35μsv/h。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


おーい。

今日は、連れて帰ってあげられるよ。

ブラックスモークちゃん。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

不自然な動きの後ろ足。

怪我でもしているのかもしれない。


このあと、ガレージに入っていったので、

チャンス!と思い、

”ガレージがら出たらもれなく捕獲機に入る作戦”

を決行。いっぱい物の詰まったガレージから

がさごそと音が聞こえる。

ところが、ブラックスモークちゃん、

”ガレージから絶対出ません作戦”で応戦。

もう日暮れも近く、時間のないわたしの負け。


この場所は、前回アメショーMIXの

仔猫がいた場所から50mくらい。

仔猫たちも捕獲機に入らず、

ココロが折れそう・・・

っていうか、完全に折れた!


でもね、

わたしより一日早く圏内入りした桜ママから

キジトラちゃんを保護したとの電話が入る。

以前、桜ママとわたしとで一緒に回った時に姿を見掛け、

捕獲機を掛けたが保護できなかった子かもしれないとのこと。

キジトラちゃんを見た日のことを、鮮明に思い出す。

一匹一匹の個体を知る度に

格別の思いに囚われる。




おわりに、


アニマルエイド、レスキュー関係者の皆様へ


今回のミッションは保護枠あり、っていうかむしろ

必ず保護して来ないと警戒区域からは出られない

というものでしたが、手ぶらで帰ってきてしまいました。

シェルターでネコの世話に明け暮れている隊長、

もう小鳥はレスキュー隊員失格です。

たくさんの命を目の前にしながら、

フードを置くことしか出来ませんでした。


言い訳になりますが、土曜日はある運動会に参加。

走ったり踊ったりしてそのまま一睡もせず

強行スケジュールで警戒区域に入りました。

ただ、運動会で感じたことは年齢以上に

身体能力があがっているということです。

警察に追い掛けられながらやってきた給餌ですが、

素早い身のこなしと長時間の運転が必要で、

ここに来て、それが身を結んだと感じています。


以上。