置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


睡魔と戦いながら走る高速道路。

この掲示板を見た瞬間、モードがONに切り替わる。

今日こそは、何かが起きるんじゃないかと

胸騒ぎがしてる。実は、一週間前から・・・。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

いらぬ心配だったのかな。

安堵の気持ちが湧いてくる。


今日はパトカーくらいで、行き交うクルマも殆ど無く、

静かに秋は深まっていく警戒区域。


そしていつも通う、幾つめかのポイントでのことだった。

物が散乱する物置きから聞こえる、カサコソという音。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


あわわわ~。

マイセンの置物みたいドキドキ


そして・・・。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


痩せて細長くなったブラックスモークの仔猫ちゃん。


どうしても、二匹揃って保護したい。

一台だけ残ってた捕獲機をセットして、

別の場所で仕掛けた捕獲機を確かめにいく。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

待ってました音譜

君のこと、保護したかったんだよ、白茶の仔猫ちゃん。

9月の終わり、お母さんを呼んでみゃ~みゃ~鳴いてたね。

カラスが狙ってたから心配してたんだ。


パワーモード全開で、別の場所の捕獲機を見に行く。

待ってて!仔猫ちゃん達。

どうか、何処にも行かないで。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

久しぶり~ビックリマーク

これが二度目だね、ロン毛のサビちゃん。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


春頃?!以前撮影したロン毛のサビちゃん。


道路でゴロンゴロンしてる君を見てから、

以来ずっとご飯をお届けしてたんだ。

この時はまだ寒く、ロン毛だったね。


捕獲機は今日は満員。

そこで、

一台だけ仕掛けた捕獲機を確かめに

仔猫達が居た物置きへと戻ってみると・・・。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


ぷんぷくぷ~ん!目なんか合わせませんからむかっ


超不思議模様のソックスちゃん。

以前、会ってる気がするんだけど。

それにしても、チビ猫ちゃんを差し置いて、

自分が先に食べちゃう大人気なさ、いいキャラしてる。


そこで、残るは二匹の仔猫。

どうしても保護したくて、原発のそばを回ってる

桜ママに電話を入れる。待つこと20分弱。

離れた場所から、捕獲機持参で超高速で現れてくれた。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


おかげで、すぐにブラックスモークチビ猫ちゃん

入りました~ドキドキ

あとは、

マイセンの置物ちゃんが入るのを待つばかり・・・。

さっきから、ぴょこぴょこ顔を出してるし物置きの中にいる。

あとは、時間との勝負。


ところが、ちょっとしたうきうき気分も束の間。

最悪の事態が起きてしまう。

これが最後のレスキューになってしまうのか。

最後のプレゼントがこの子達だったのか。


いいえ、そのプレゼントすら、悲しいやり方で

手放さざるを得なくなるなんて、この時は思ってもみなかった。


ブログの中で、どこまでを伝えたらいいのか。

ここが民主主義の国だということを疑うような、

独裁的なやり方で、わたしごときを潰す権力集団。

負けとは言いたくない。だって、これは勝負じゃない。

いつも、政治家が決めたことや行政がやってることが

一番正しいなんて思い上がりはやめて欲しい。



みんなにとって、どれが一番いいのか、

価値観は色々で折り合うのは難しいけれど

社会構成主義的に考えていくべきだと思う


どうしてもやらせて欲しいと差し出された

その手を排除しておきながら、

そのくせ自分達ではやる気などない、その理由付けを、

まるで正義のように語るのはやめて欲しい。


今日、わたしは大事なものを警戒区域に落として来た。

もう一度、それを取りに戻らなければ、

この先、だたの抜け殻になってしまう。