君のこと、心配してくれてる人が
何人もいるんだよ。
そんなこと、知るはずもないマイセンちゃん。
カラスに追いかけられて、放浪の旅にでも
出掛けたの?
10月27日、アクシデントがあって保護出来なくて、
それでもフードだけは置いてきた。
11月4日、心配したもっちーさんが、
地元の犬とり名人にフードを頼んでくれた。
そしてその週、圏内入りしたN会のNさんが、
時間の無い中、捕獲機を掛けて下さったが、
まったく気配がないという報告をもらってた。
こちらも、もっちーさんが動いてくれた。
確かに、今日も猫の気配はない。
でも、生きていれば必ず戻ってくるはずなんだ。
だって、10月27日マイセンちゃんが居た
同じ場所で保護したみろくクンも、
ずっとここで暮らしてたんだから。
7月に撮影したみろくクン。
かなり怖い感じで写ってるが、
ソックスをはいてることと、白いスタイ、
そして同じ敷地内であることから、間違いない。
10月27日、アニマルエイドシェルターにて
レスキュー仲間の執念で救い出すことが出来たみろくクン。
民家のそばに居る子は、フードさえ置いていれば
大体が、その近くで暮らしている。
それは、猫は本来人間と暮らす愛玩動物なのだから。
どうしても、君たちのこと守りたかったよ。
でももう、わたしには残された時間が無い。
それなのに、マイセンちゃんもキジトラちゃんも
ただの一匹も保護できなかった土曜日。
もうすぐ警戒区域から締め出される日も近いのだから、
これが最後の給餌になるかもしれないから、
涙を流さないように、これまでのことを噛み締めながら
ひとつひとつのポイントを回る。
給餌をはじめた昨年、まさかこんな形で
終わりの日が来るなんて、思ってもみなかった。
必ず、わたし達の思いは政府に届くと信じていた。
1年8ヶ月、何も変わらないまま、絶望のまま、
最後の給餌を終えるのだろう。
マイセンちゃんが居た場所・・・。
キラキラ光る宝物は、指の間からパラパラとこぼれ落ちて、
今、わたしの掌に残ったのは、ただひとつの小さなダイヤモンド。
それは小さな命を閉じる、マイセンちゃんの最後の涙。