置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


今日のミッションは”帰還困難区域保護作戦”

それなのに、

帰還困難区域に仕掛けた捕獲器は空っぽ。

ファミチキをかじった跡。


保護が行き渡り、猫達がいなくなった証拠なら、

どんなにかいいだろう。

現実は2~3時間ではなかなか捕獲器に

入らないというだけ。

帰還困難区域にも、まだ沢山の命が息づいている。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


君のこと、助けたかったよ!


いつものポイントのそば。

そして、帰還困難区域となる場所。

もうすぐ容赦なく重いバリケードが

ここの世界を閉じ込めてしまう。

手を差し伸べるチャンスは

これが最後だったかもしれない。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


定点、5箇所を残しているが既に時間切れ。

スルーしようと思ってクルマを走らせたが、

何度もこちらを振り返りながら消えてくトムキャットに

後ろ髪ひかれ、猛スピードでバックして戻る。

ただの5分だけど、捕獲器を掛けて待つ。


駄目だったよ。保護出来なかった。

泣きそうになりながら、消えた場所に

ファミチキとフードを置く。


その時だった、横殴りの風が雪を運び

近くの竹林がざわめき出す。

お天気はわたしの気持ちそのもの。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


横殴りの雪の中、残りのポイントを駆け巡る。

今日、残りわたしに出来ることはご飯を届けることだけ。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


警戒区域を出て帰りの高速。

雪は一層激しくなる。


今夜その身体、温めてくれるベットも無く、

凍える夜を、無条件に受け入れる。

生きていくのって大変だから、

死んだほうが楽だけど、死ぬのだって

そんなに簡単じゃない。

その前に、バイバイ言わないと・・・。


ごめんね、助けられなかったこと。



追伸

桜ママが熊川海岸そばで掛けた捕獲器。

ニャンコが入ってくれました!

だから、記事のタイトル、レスキューに変更します。

実は、今回も怒涛の一日で、このニャンコがクルマの中で

忽然と姿を消し大捜索。ふたりで探すも姿がなく、

キツネにつままれた状態でしたが、

やっと出てきてくれました!

お転婆ニャンコ、ミラクルちゃんに振り回された一日。

悪い子だよ、まったく~音譜