今度いつ給餌に行けるのか、

先が見えないまま、時間だけが過ぎる。


絶望と悲しみと、追いかけられる恐怖と怒り。

負の感情だけを力にして、

一年と数ヶ月続けてきた警戒区域での活動は、

生活の一部になっていたのだと思う。


気晴らしに街に出て、余計気分が滅入る。

誰かと会っても、他愛もない会話が退屈になる。

美味しい食事も、喉を通るだけで、

ただ、生命を維持する為のもの。

壊れかけてるかも・・・。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


自宅玄関に置かれたままのフード。

妹夫婦から送られたもの。


きっと今夜、もう何度目か

凍える身体で、空っぽのフード袋を覗きに来てるだろう。

今すぐに

飛んで行きたいんだよ。

あの子がいた場所へ・・・。