「おはよ~」大きな牛さん。
君はずい分懐っこいんだね。
今も奇跡的に殺処分柵を逃れて生きてる牛達は
殆どが人間を警戒しているというのに、
この子は全く動じない。
ほらほら、わたしとお話してるうちに
連れの牛さんが行ってしまうよ。
連れの牛さんは、後ろを何度も振り返りながら
距離が離れすぎないように歩く。
これが、阿吽の呼吸?
国道に行ってはいけないよ。
スピードをあげたクルマが突っ込んで来るのだから。
産後間もないのか、おっぱいがはっている。
赤ちゃんはどうしたのだろう?
この寒さに凍え死んだのかもしれない。
愛情深い牛が、自分の子どもを連れていないはずが無い。
生き抜く場所が少しずつ限られている中、
皮肉なことだが、牛達にとって今一番安全なのは
原発3km圏内なのかもしれない。
まぶしい朝陽に向かって歩く
牛達の後姿を最後まで見送ってから
次のポイントへとクルマを発進させる。
予感的中
給餌依頼の飼い主さん宅を探すうち、
予想通り雪にはまってタイヤが空回り。
持ってきて良かった!
スコップと脱出用グッズ。
こんな処で、時間のロスはしたくない。
突っ走れ、小鳥!
前回の給餌から、ずっと気に掛けてた場所に
クルマをつけると・・・
誰かが置いていってくれたフード用のお家。
何か、本格的に泣きそうになった。
わたしが圏内に入れない間、
どうしても気になる場所は他の愛護団体さんに頼んでいたが、
警戒区域を回ってる人達は、いつも綱渡り状態で、
たくさんの給餌場をもっているから、全てをお任せという訳にいかない。
この場所は誰も行くことが出来ず、三週間ぶりに訪れた。
しばらく会ってないけど、きっと来てるはず・・・
ぶち猫ちゃん。
今日、どうしても近づけなかった場所もある。
わたしの力で出来るだけの給餌を終えて、
捕獲器を置いた場所に舞い戻る。
12月15日、チビ猫ちゃんを保護した場所へ・・・。
つづく・・・。