この景色、独り占めの夏。
放射能はこの場所から、人間を連れ去った。
わ~、って大きな声を出しながら、草の中を転げ回ったら
結構気持ちが晴れるかもしれない。
ここは、牛が餓死してた牛舎の前。
時間はある意味残酷。
時間しか消せない傷跡もあるけれど、
ずっと人間が背負うべき罪まで
消してしまうのだから。
どうしてこれだけのことをして、
結局、誰も責任をとらないで、
笑って生きられるのか理解不能。
あの角でも。
この道端でも。
もう、どうしていいか分からない。
給餌する人も保護する人もまた減ったというのに・・・。
絶望的な気持ちのまま
前回見た茶とらちゃんを保護したくて、
その場所にクルマをつけると・・・
???手を振る人の姿。
圏内で遭遇するのは久しぶり。
それは、泣き出しそうなもっち~さんだった。
事情を聞けば、草むらにガリガリの茶とらが
潜んでいるとのこと。
でも、今日は保護枠も無いから、せめてご飯を、と
高栄養のウエットフードをお皿に載せてるところだった。
わたしは、柴子さんからもらった保護枠を迷わず
この子と決める。
捕獲器を用意する間、一台の車が通り過ぎ、
ヒヤリとする。
一般人に丸投げした猫の問題なのに、二年経った今も
わたし達はコソコソ動かねばならず、あまりの理不尽さに
本格的にこの国を、呪いたくなる。
用水の中に仕掛けた捕獲器。
気温も上昇してきたし、気になって、
給餌の途中でその場所に舞い戻る。
湧き水のそばに飛んでいく。
住民さんが湧き水を提供してくれてるから、
ここは安心できる場所。
よほどおなかが空いてたんだね。
短い時間で入ってくれた。
静まり返ったこの場所で、
湧き水のチョロチョロという涼しげな音を、
茶とらちゃんとわたし、一緒に聞く。
まだ、小さい茶とらちゃん。
先週見た茶とらとは別の子のような気もするが、
もしかしてこの子かもしれない。
今日はいつもより時間があるのだけど、
出入りしてる双葉町のバリケードが閉まる前に
もう一台の捕獲器を回収しなければならない。
ひえ~
とうとうネズミ・・・ですか?
ネズミしゃんじゃないでしゅよ~
もう、とろけてしまいそう
お~い
どこかで、呼んでる気がする。
忘れてないよ~。
ブルーアイの白ちゃん。
わたしが圏内に入る前日、地元の犬とり名人が
掛けておいてくれた捕獲器に入った子。
こう見えて、帰りに寄った動物病院でも落ち着いてて、
怪我が治ったら絶対に美猫になれるよ。
おっさんキャラも結構好きだけどね
そして、犬とり名人からひとつのニュースを聞かされた。
置き去りにされた猫の問題が、この先どうなっていくのか
根幹となっていく解決策のことだ。
本来であれば、行政がコーディネートするようなことなのだろうが
実現に向けて、動いて下さっている犬とり名人に、
いつもお願いごとばかり。
行けなかった場所の給餌、捕獲器を掛けて、
更には保護した子を預かって貰ったり・・・。
時々とんだ無茶振りをしてる。
ホント、申し訳ございません。
追伸
今日は3匹を連れ帰ることが出来て、本当に良かったです。
アニエイに関わるみなさんが、惜しみなく力をかしてくれるから
こうして保護が可能になっているのです。
前回連れて来たシエルちゃん(改め彦さん)が
シェルターで過ごすうち僅か10日ばかりで、
ふわふわの縫いぐるみみたいになって、
表情も穏やかになって、人の手、人の愛情が掛けられるって
こういうことなのかな~としみじみ思いました。
いつも有難うございますっ。