置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

この景色、独り占めの夏。


放射能はこの場所から、人間を連れ去った。


わ~、って大きな声を出しながら、草の中を転げ回ったら

結構気持ちが晴れるかもしれない。


ここは、牛が餓死してた牛舎の前。

時間はある意味残酷。

時間しか消せない傷跡もあるけれど、

ずっと人間が背負うべき罪まで

消してしまうのだから。


どうしてこれだけのことをして、

結局、誰も責任をとらないで、

笑って生きられるのか理解不能。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


あの角でも。








置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


この道端でも。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

もう、どうしていいか分からない。


給餌する人も保護する人もまた減ったというのに・・・。


絶望的な気持ちのまま

前回見た茶とらちゃんを保護したくて、

その場所にクルマをつけると・・・

???手を振る人の姿。


圏内で遭遇するのは久しぶり。

それは、泣き出しそうなもっち~さんだった。

事情を聞けば、草むらにガリガリの茶とらが

潜んでいるとのこと。

でも、今日は保護枠も無いから、せめてご飯を、と

高栄養のウエットフードをお皿に載せてるところだった。


わたしは、柴子さんからもらった保護枠を迷わず

この子と決める。

捕獲器を用意する間、一台の車が通り過ぎ、

ヒヤリとする。

一般人に丸投げした猫の問題なのに、二年経った今も

わたし達はコソコソ動かねばならず、あまりの理不尽さに

本格的にこの国を、呪いたくなる。


用水の中に仕掛けた捕獲器。

気温も上昇してきたし、気になって、

給餌の途中でその場所に舞い戻る。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

速攻、捕獲器を回収し、道路を挟んで反対側にある

湧き水のそばに飛んでいく。


住民さんが湧き水を提供してくれてるから、

ここは安心できる場所。






置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


よほどおなかが空いてたんだね。

短い時間で入ってくれた。


静まり返ったこの場所で、

湧き水のチョロチョロという涼しげな音を、

茶とらちゃんとわたし、一緒に聞く。


まだ、小さい茶とらちゃん。

先週見た茶とらとは別の子のような気もするが、

もしかしてこの子かもしれない。


今日はいつもより時間があるのだけど、

出入りしてる双葉町のバリケードが閉まる前に

もう一台の捕獲器を回収しなければならない。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


ひえ~あせる

とうとうネズミ・・・ですか?







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


ネズミしゃんじゃないでしゅよ~恋の矢







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


もう、とろけてしまいそうソフトクリーム




お~いビックリマーク

どこかで、呼んでる気がする。


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


忘れてないよ~。

ブルーアイの白ちゃん。


わたしが圏内に入る前日、地元の犬とり名人が

掛けておいてくれた捕獲器に入った子。


こう見えて、帰りに寄った動物病院でも落ち着いてて、

怪我が治ったら絶対に美猫になれるよ。

おっさんキャラも結構好きだけどねドキドキ


そして、犬とり名人からひとつのニュースを聞かされた。

置き去りにされた猫の問題が、この先どうなっていくのか

根幹となっていく解決策のことだ。

本来であれば、行政がコーディネートするようなことなのだろうが

実現に向けて、動いて下さっている犬とり名人に、

いつもお願いごとばかり。

行けなかった場所の給餌、捕獲器を掛けて、

更には保護した子を預かって貰ったり・・・。

時々とんだ無茶振りをしてる。


ホント、申し訳ございません。



追伸 


今日は3匹を連れ帰ることが出来て、本当に良かったです。

アニエイに関わるみなさんが、惜しみなく力をかしてくれるから

こうして保護が可能になっているのです。

前回連れて来たシエルちゃん(改め彦さん)が

シェルターで過ごすうち僅か10日ばかりで、

ふわふわの縫いぐるみみたいになって、

表情も穏やかになって、人の手、人の愛情が掛けられるって

こういうことなのかな~としみじみ思いました。

いつも有難うございますっ。