魔術師の視線(本多孝好) | 映画でもどうどす?

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映画と読書の感想を気が向いたら書いてます。
どちらも、ホラーとミステリが多め。
ホラーなら悪魔よりゾンビや怨霊。
ミステリならイヤミス。

所作から人の心理を読める女性が事件に巻き込まれていく
魔術師の視線/本多 孝好
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昔、政治家の不倫をスクープしたことで、
所属していた会社をやめることになったヒロイン・薫は、
今はフリーのカメラマンとして仕事をこなしていた。

そんな時自分がかつて取材した超能力少女・礼が、
ストーカー被害に悩まされていることを知る。

かつて彼女を持ち上げ、そしてうそつき少女と貶めたマスコミ。

その端くれに所属していた薫は、礼を匿うことにするのだが、
心の何処かで、「うそつき少女の自演では…?」との疑念を捨てきれずにいる。


礼の行方不明の父親と、ストーカーの捜査を私立探偵で友人でもあるユキに依頼するが、
ユキは心筋梗塞で死亡。
それとともに大物政治家の周囲でも、心筋梗塞で突然死する人間が大量に発生していることに気づく薫。

一体これはどういうことなのか…。


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少女期に両親の離婚騒動に巻き込まれ、言葉を失ったことから、
人の表情や目線から、心理状態を推測できるようになった薫。


今でも母親とは意思の疎通が出来ず、
そのことから、礼に対し、母性のようなものも感じています。


礼はかつて「超能力美少女」と騒ぎ立てられますが、
同じく超能力者を名乗っていた別の少年とともに、ニセ超能力者とされ、
「嘘つき」呼ばわりをされ、疎外されたまま成長しました。



この、薫と礼の「親から不遇な扱いを受けている少女」の気持ち、
痛いほどわかっちゃいます。
本来、何があっても守ってくれるべき「親」が、
守るどころか、自分を責める側に回る…。


二人の親に、むちゃくちゃ腹がたちました。
世界を敵に回しても、子を守るのが親。
もちろん「やらかした」ことに対しては謝罪をするのも親の勤めですが、
それでも、芯の部分では、守ってやろうとすべきじゃないのかなぁ。


守る=正しい道に呼び戻す…ってのも含みますよ?


政治家がらみの話が、めんどくさくって、
でも、すごくサクサク読めます。

薄幸の美少女、礼が、
本当に悲劇の少女なのか、
それともオオカミ少女なのか。

タイトルの妙に唸りました。

後味悪い系ー。
でも幸せEND系ー。


伽椰子さんや貞子の予備軍が、
ここにいたでぇ!

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