ガーナ人は討論好きです。
きっとガーナ人だけじゃなくて、外国人って自分の意見をはっきり言う。
自分の意見をはっきり言えないのは日本人の悪いところだ。っていうのは、
海外で生活したことのある人は感じた事があるのではないでしょうか。
って一般論みたいなことを言ってみる。
けどガーナの場合、その討論の内容もまたすごいんです。
今日は配属先の女性スタッフだけのミーティングでした。
これは学校の仕事に関する議題を取り上げるものではなく、
女性スタッフみんなで組織している「フェイスヒル女性協会」のミーティング。
で、この協会、私もフェイスヒルの女性スタッフであって、自動的に会員なんですが、何のために組織してるのか、いまいち存在理由がよくわからん・・・っていうのが私の第一印象でした。
でも以前みんなでプールに遊びに行ったりしたのもこの組織の活動の一環であって、
きっととにかく、女性だけのグループを組織して何かしら活動してるってことに意味があるのかな、と最近思ってます。
で、ミーティングの中身はと言うと、もう何でもあり。
誰かが何か問題だと思ったらそれを徹底的に話し合う。
今日のメインの議題は、
「AさんがBさんのドレスを真似した事が、Bさんにとってはとっても嫌なことだった。どうすべきか?!」というもの。
このAさんもBさんも、協会のメンバーでこの話し合いの場にももちろんいます。
この議題だけ見ると、そんなのただの個人的なけんかじゃん?!と思っちゃいますが、
(まあだいたいはそういうところなんですが・・・)
もうちょっと詳しく説明すると、去年のクリスマスショウのとき、みんなでおそろいの生地を買ってドレスを作ったんです。
生地は同じだけどスタイルはそれぞれ自由で。
なのに、AさんがBさんのドレスを真似して同じものを作っちゃったものだから、
Bさんは怒って、大切なクリスマスショウ当日にそのドレスを着なかった。
それが問題なのです。みんなで一緒に着る事に意味があるのに。
もう、日本人の感覚からしたら、「小学生かよ?!」って感じなんですよね。
ガーナ人がミーティングで話してる内容って、
「まさか、そんなことを大の大人が議論してたの?!」
って思ってしまうものが多い。
でも、最近になって、なんかそこがガーナ人のよさだよなあ、とも思うのです。
今回みたいな議題に関して言うと、
要は、誰かが嫌な思いをしてたら、みんなで解決してあげるべきだ!
誰か一人でも、自分の意見を言えずにひとりで悩んでる人がいちゃいけない!
そういう考えから来てると思うんです。
まあ、まず
Bさんが「あれは嫌だった」とみんなに言ったこと自体、私にとってはびっくり。
日本人だったら、
あ、この人私の服装真似してる。
なんかやだな。
でもまあ、いい大人がそんなこと言ってもしょうがないし。。
と、だれもが自分の中にその「なんかいや」を封印させるはず。
しかし、ガーナ人はしないのです。自分の思いを封印するなどということは。
そしてその思いを聞いたからには、みんなで解決しよう。となる。
まずBさん、「私は自分自身を表現するために私独自のスタイルでドレスを作ったのに、それをまねされるなんてとてもいやだった!!」
と主張。
なるほど。そこまで思い入れがあったのか。と私も納得。
Aさんは「私は真似したなんて思わなかったの。テイラー(縫いこさん)に、ジョークでああいう形のもいいなって言ったらほんとにそっくりに作られちゃっただけなのよ!」
と自信満々に反論。
(ほんまかいな。いいなって思って真似しちゃっただけじゃないの?と思ったけど。。)
で、当事者じゃない他のメンバーも次々に意見。
もう意見の嵐。
いちいち収集がつかなくなって、「ちゃんと発言するときは手あげなさいよ!」「ちょっとこれだけは言わせて!あんた間違ってる!!」と大討論会。
「あんた間違ってる!」って、
面と向かって言えますか?
私は、言えない・・・・
でもガーナ人は言えるのです。
しかもものすごい形相で。
(ガーナに愛想笑いという文化はない。
気持ち=表情
役者の立場から見たらなんて素晴らしい。と思うけど。)
そして後に尾を引かないのです。
なぜならその間違ってるは、その場の意見に対して発せられたものであり、その人自身を否定するものではないから。
その話し合いが終われば、みんな元通り仲良し。
結局この議題に関しては、AさんがBさんにみんなの前で「Sorry」と謝り、めでたく解決。
最後には今度のバレンタインデーにチョコレート交換しよう!という話になり、誰と交換するかくじ引きをしました。
なんて平和な。
とにかく、普段から仕事に関しても
「何か思ってる事があるなら、隠さず言って」という話がよくでます。
そして隠さず言えば、みんなが徹底的に話し合ってくれる。
言ったらやっぱり馬鹿にされた。と言うことはないのです。
ちょっとぎゃははは、と笑ったとしても、その人が本気で悩んでるなら、本気で考えてくれる。
だからストレス溜まらないんだろうなあ。
私も、最初のころ同僚の言葉に傷ついたりして、ストレス感じちゃったこともあるけど、
今思えば、皆に話してたら簡単に解決してたんだろうなあ、と。
まあ、今だからそう思えるのであって、その頃に皆に話すってのはやっぱり私にとっては難しかったんだけど。
なんか乱文・長文になっちゃいましたが、
ガーナ人のそういうとこ、結構いいんじゃないって思えてきたって話でした。