太陽光発電と深夜電力を電気自動車に充電し

昼に電気を使い始めて7か月が経ちました。

 

その結果、

ガソリン代がゼロになり

・電気代が約5%減った

ので、そのポイントを記載しておきます。

 

■電気の流れは3パターン

 

1. 安い深夜電力をEVに充電

 

23:00から7:00までの間に、

深夜電力を電気自動車に充電します。

2022年3月時点の東京電力の電化上手プランでは深夜電力は12.48円/kWh。

40%~80%まで充電した場合(Honda eは14.2kWh)

EV充電の電気料金は約177円/日です。

(充電時間は約2.5時間)

 

ここでポイントですが、

充電量の上限値は100%ではなく、

70%~90%に設定します

理由と適正値については後で説明します。

 

 

2. 太陽光発電された電気を充電

 

太陽光発電された電気をEVに充電します。

太陽光発電の電気は、電力会社に売電することも可能ですが、

売電価格より買電価格が高い場合は、自宅で使った方がオトクです。

ウチは売電価格が8.5円/kWh、買電価格が26.49円/kWhの為、

太陽光発電の電気は自宅で使った方がオトク

です。

 

ただ、太陽光発電している時間帯と、生活時間がずれているため、

電気自動車に電気を貯めて必要な時に使う

ことになります。

 

また、先ほど書いた、

「深夜電力での充電を100%にしない」理由がこれです。

朝の充電量に余裕を持ち、そこに太陽光の電気を貯めます。

深夜電力で100%充電してしまうと、

余った太陽光発電の電気を貯められないので、

その分を安く売らないといけません。

余裕代の適正値は後から説明します。

 

3. 生活で消費

 

深夜電力と太陽光発電で充電した電気を、電気自動車から取り出して使います。

買電価格は26.49円/kWh以上なので、

深夜電力の12.48円/kWhと

太陽光発電の8.5円/kWhとの差額が

オトクになった分です。


仮に生活で40%(=14.2kWh)使い、

太陽光で20%(=7.1kWh)発電していた場合、

7.1kWh*(26.49-12.48)+7.1*(26.49-8.5) =

  一日あたり約227円オトク

になります。

 

ここでポイントですが、

EVの電気は0%まで使わないで下さい。

あたりまえですが、クルマで外出できなくなってしまいますので(笑)

緊急で出かける可能性がある場所まで行ける充電量を残してください。

ウチは20%残っていれば市街地まで往復できるので下限は20%にしています。

では次に、深夜電力の充電の上限値について記載します。

 

■一日の充放電は4パターン

 

深夜充電の上限値を決めるポイントは、

「深夜電力と太陽光発電の電気をどれだけ無駄なく使いきれるか」

です。

 

深夜電力で100%充電してしまうと、太陽光発電の電気を安く売ることになり、

逆に深夜充電量が少ないと、高いお昼の電気を購入することになります

 

「そんなの簡単じゃん、一日に使う電気なんて大体決まってるんだから、

2,3日様子を見て、ある程度落ち着いたところで上限決めればいいじゃん」

と、思ったあなた、

ここまでの記事をきちんと読んでいただいてありがとうございます。

私もそう思っていました。

が、そう簡単ではなかったのです。

 

太陽光発電の発電量と、EVの移動のための電気が日々変わるのです。

その為、初めに設定した上限値では足りなく

夕方から電気を購入することになったり

太陽光の電気を充電する余裕がなく、無駄に電気を売ることになってしまいました。

 

そこで、日々のEVの充電量をチェックし、

最適な深夜電力充電の上限を決める、ひとり実証実験を始めました。

 

2021年8月から2022年3月までの充放電パターンを解析したところ、

パターンは大きく分けて4つ

の傾向がみられました。

 

各パターンの説明と心の動きを紹介します。

 

1. 晴れの日(おでかけ無し) 

最も深夜電力を使わないパターンです。

朝の充電が70%でも太陽光発電で100%に到達し

100%を超える分が売電されます。

安い価格で売ることになってしまいますが、

「お小遣いが入った」と割り切ります。

 

2.曇りの日(おでかけ無し)

太陽光発電に期待できないため、単純に生活で使った分が減ります。

「安い電気代で昼の生活を過ごせた」とほくそ笑みます。

 

3.晴れの日(おでかけ有り)

日常の買い物でクルマを使用するので、その消費量を考慮します。

100%に張り付いてしまう時間帯におでかけし(どうせ売電するしかないから)、

太陽が沈む前に帰ってくるのがもっとも効率が高いです。

「完全にもくろみ通り」と高笑いします。

 

4.曇りの日(おでかけ有り)

このパターンが一日の終わりにもっとも電気が少なくなります。

このパターンで電力が足りるように上限値を設定する必要があります。

23:00直前に残量が20%になっているのがベストです。

「ゴール直後ガソリンが空になったF1」

の感覚が味わえます(たぶん)

 

休日に遠出などする場合は、例外とします。

その場合は

「高いガソリン代じゃなく安い電気代でおでかけできた」

と気持ちを切り替えます。

 

これで、大体の上限値が決まると思いましたが、これだけではありませんでした。

太陽光発電と生活消費電力は季節によっても変わるのです!

 

■季節による発電と消費電力の違い

生活で使う電気量は一年のうちで最大3倍以上(409kWh, 1403kWh)違いました。

これは、エコキュートという給湯器を使用しているためであり、

こちらは深夜電力で動くので、本ブログの内容に直接は関わらないのですが、

それ以外でも日中は暖房を使うことで夏よりも電力消費量が多くなり、

逆に日照時間が短くなることで、太陽光発電の発電量が減ります

 

したがって、8か月に渡って電気自動車の充電量変化の統計を取り、

深夜電力の充電上限値を変化させ、

先に述べた1~4のパターンの中で、

売電と買電のバランスを調整してみました。

 

 

ある程度、季節ごとに適正化されるものの、

やはり日々の変動要素が多く、

最適化するのは難しかったです。

 

つまり↓の4つの充放電パターンについて

「深夜電力の充電上限」を変化させて、

「EVからの電気使用量」を月単位で最適化させるのは困難

ということが分かりました。

 

いま考えている解決策は以下の3つです。

 

解決策1. 

更にデータを取得し、データを増やすことで

月ごとの

「EVからの電気使用量」(グラフの面積)

が最大になるように、

「深夜電力の充電上限」の予測精度を上げる。

必要であれば放電開始時間なども変える。

 

解決策2. 

気象予報や次の日の行動予定を入力し、

次の日に「EVからの電気使用量」が最適になるように、

毎日「深夜電力の充電上限」を変化させる。

 

解決策3.

そんなの気にしなくて良い、バッテリー容量の多いEVを買う。

 

解決策3は浮いた電気代でも足が出るので、解決策2がイマドキですかね。

ある程度アルゴリズムを作ったら、プログラムできそうな気がします…。

 

とりあえず現時点ではこれまで取ったデータから

月ごとのオススメ上限値を算出する計算式を作成しました。

(解決策1の簡易版)

 

毎月の消費電力(過去実績)から太陽光発電の電力(過去実績)を引いた量が、

月ごとに必要な深夜電力という考えです。

それを日割りにし、電気自動車のバッテリー容量の%表示に換算してます。

(日の出、日の入り時刻、パネルのワット数はこの計算では使っていません)

下の画像は、

「3月の深夜電力の充電上限値は、過去の平均値から計算すると68%ですよー」

という結果です。

 

感覚的には、ちょっと低いのですが、月平均すると正しいのかもしれないです。

私は、20%を下回って高い昼間電力を買うのが嫌で高めに設定してたのですが、

もしかしたら、太陽光発電の電力を安く売りすぎていたのかもしれません…。

 

「これが正しいのか試そうとすると、あと何年実証してくことになるんだろう…」

と途方にくれたので、もしどなたか興味があれば、一緒に実証しませんか?(笑)

「あなたへの オススメ上限目安」計算シートも作ってみました。(笑)

・あなたの地域の日の出日の入り時間

・あなたのおうちの太陽光パネルワット数

・あなたのEV(蓄電池)のバッテリー容量

を入力して頂くことで、オススメの深夜電力の上限値が分かります。

※生活パターンは私の家がベースですが、

 あなたのおうちの月々の電気使用量がわかれば入力可能です

 

 

エクセルを貼っておきますので、興味があればダウンロードしてみてください

これから電気自動車や蓄電池の購入を検討している方も参考にしてください。

 

参考に月々のオススメ上限値を貼っておきます。

なんとなく月ごとの差のイメージは合いますが、

エビデンスが少ない為、

絶対値が合っているかはわかりません。


 

本日のブログは以上です。

久々に大作を書いてしまいました。にやり

ここまで読んでいただいた方、

本当にありがとうございます。

お疲れ様でした。

絶対に気が合うと思いますので、

直接メッセージ頂けると嬉しいです(笑)



※参考リンク