1月5日(金)よりNHK総合で放送される連続ドラマ『女子的生活』は、男性として生まれたが、見た目は女性で恋愛対象も女性というトランスジェンダーのヒロイン・みき(志尊淳)と、同級生だった男・後藤(町田啓太)の奇妙な共同生活を描いた痛快ガールズストーリー。
本作で、みきと同居することになる高校時代の同級生・後藤を演じるのが俳優の町田啓太。HiGH&LOWシリーズや、『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)などで注目を集めた町田に、そんな大忙しの2017年を振り返ってみての思い、そして作品への印象や共演の志尊淳との撮影エピソードなどを聞いてきた。
■「だらけているところは似ているなって(笑)」
ーー本作は、トランスジェンダーのOL・みきの日常を描いた物語ですが、原作を読んだときの印象はいかがでしたか?
町田:原作は台本と一緒にいただいて、読んでみて素直に面白くてずっとクスクス笑ってしまいました。主人公のみきがすごく頭が良くて痛快なんです。台本はほぼ原作どおりに進んでいるのですが、原作にないシーンや演出もあったので、現場で共演者の皆さんやスタッフさんと、どんな雰囲気で物語を作り上げることができるのかとても楽しみにしていました。
(c)NHK
ーー町田さんは、みきと共同生活を送る男性・後藤という役柄を演じられていますね。
町田:後藤はみきと同級生で一緒に暮らし始めるというキャラクターですが、お調子者でノリが良い男。これまでそういった役をあまり演じたことがなかったので、新鮮でした。それに、普段のだらけているところがちょっと似ているなって(笑)。
ーー全然そのように見えないのですが、町田さんも普段はだらけてしまうタイプなのですか?
町田:そう言っていただけると、日頃の取り繕っている部分が功を奏しているのかもしれません(笑)。家にいる時、昔からの友達といる時、リラックスしている時はかなりだらけています。
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ーーでは、演じていてもけっこう共感できましたか?
町田:そういう部分は後藤に共感出来るところが多かったですね。あとは、この役は志尊君との掛け合いが大切だと思ったので、現場に入る前からある程度役作りをしても、現場で柔軟に演じることを大切にしようと思いました。
■女性の変化には「気付きたいのに気付けないタイプ」
ーーみきを演じられた志尊さんとは今回が初共演ということですが、印象はいかがでしたか?
町田:志尊くんはとてもしなやかな方。「はじめまして、志尊淳と申します。宜しくお願いします」という挨拶から本当にしなやかで…。「なんだこれは、もう完成されているじゃないか!」って思いました(笑)。顔立ちもすごく綺麗なので、女性的な部分も感じたり。でも実際に話してみると、彼の中の強い信念と熱い男の部分が見えてくるんです。見た目のしなやかさと中身の熱さが、みきと共通しているなあと感動しました。
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ーーまさに、みきも見た目は美しく、中身は一本筋の通ったキャラクターですものね。
町田:そうなんです。それでいて頭が良いところも似ていました。僕が現場でいくらボケても、全部拾ってくれるのですごく有難かったです。あ、ボケるというのは役柄でですよ(笑)。
ーーなるほど(笑)。志尊さん演じる"みき"は町田さんから見ていかがでしたか?
町田:志尊くんはどう動けばより女性らしく見えるか、ずっと勉強されていましたし、撮影が進む度にどんどん可愛くなっていって驚かされるばかりでした。
ーー毎回、洋服や髪型、メイクを変えていたと伺いました。
町田:みきの洋服はかなりの点数ありましたね。あと、一緒に住むという設定の部屋が、まんま女の子の部屋なのでドキッとしました(笑)。
ーーちなみに、町田さんは女性の服装やメイクの変化によく気付くタイプですか?
町田:僕は気付きたいのに気付けないタイプですね。「髪型変わった?」って気付いた時にはもう遅くて「こないだ会った時もこうだったよ」って言われることが多いです(笑)。とくにネイルは自分がしないので、見ないし分からないんですよね…。今後は気付いていきたいので、志尊くんに注目すべきポイントを教えてもらおうと思います!
ーーそんな志尊さんに町田さんの印象を伺ったところ、「かっこ良くて爽やかで、町田さんが現場にくると空気が明るくなる」とおっしゃっていました。
町田:あははは!いや、全然そんなことないと思います(笑)。撮影が神戸だったので、スタッフさんも関西の方が多くて、僕はそれに乗っからせていただいただけです。そういえば、志尊くんとはお笑いの話もしました。僕もバラエティ番組はよく観ますが、志尊くんはもっと詳しくて。ツッコミのセンスはお笑い好きからきているのかな、と思いました。
ーー楽しそうな現場ですね。ちなみに町田さんがお好きな芸人さんは?
町田:ザキヤマさん(山崎弘也)と出川哲朗さんがずっと好きです。まだお会いしたことがないので、いつかご一緒させていただくことが楽しみです。
ーー自宅ではバラエティ番組を観ることが多いのですか?
町田:バラエティに限らないのですが、基本引きこもりなので(笑)、家でテレビを観ていることが多いです。『ドキュメンタル』は最高でした。最近だと、『ナイトクローラー』(2015)と『エターナルサンシャイン』(2005)がすごく面白かったです。
ーーインドア派なんですね。
町田:そうですね、でも出かけたがりなんです。自分からは行動しないけど、誘ってもらったらどこへでも行きます(笑)。
■"30歳になること"はずっと楽しみだったけど…?
ーー1月から放送がスタートということで、2017年を振り返ってみてどんな1年だったかを教えてください。
町田:年々1年が早くなっていくのを実感していて、例の通り2017年も本当に早かったです。27歳になって、「自分はアラサーなんだ」って自覚も出てきました。30歳になるときはちょうど東京オリンピックの年なので、それまでに大人の男に成長していたいなと。今年は『女子的生活』のように今までやったことのない役柄に挑戦出来たので、反省点も踏まえつつ、来年はもっと爆発していきたいと思います。
ーー30歳になることは楽しみですか?
町田:ずっと楽しみだったんです。老け顔なのではやく30代、40代になりたいと思っていて(笑)。でもだんだん近づいてくると、20代にしか出来ないことや許されないことってたくさんあるなとも思いますね。あと3年でちゃんとやりきれるだろうか、と今はちょっとビビっています(笑)。
Photography=Mayuko Yamaguchi
Interview=Ameba
『女子的生活』は毎週金曜よる10時〜NHK総合にて放送中