2016年からAmazonプライム・ビデオで配信されたドラマシリーズ「仮面ライダーアマゾンズ」の劇場版『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』が5月19日から公開される。

 

仮面ライダーシリーズの中でも物語の内容が深く、異色とも言われる本シリーズは、人工生命体“アマゾン”とその取り巻き、そして巻き込まれる人間と、人間ではない者との「生」を描く。この世に残る2体の“アマゾン”の一人で主人公・水澤悠を演じるのは今作が映画初主演となる藤田富。ドラマ版から3作に渡り運命に翻弄される悠を演じきった藤田は、ついに劇場版となった今回、どんな思いで撮影に臨んだのか。撮影秘話についても語ってくれた。

 

 

■「自分自身、悠に入り込んでいた」

 

――ドラマシーズンに続いて、いよいよ劇場版ですね。映画化が決まった時の率直な感想は?

 

藤田:シーズン1の撮影が終わり、テレビ版のオープニングを撮っている時に石田秀範監督、谷口賢志さん(=2シーズンを通して描かれてきたもう一人の“アマゾン”鷹山仁)と3人で「映画までいったら最高だよね」と話していたんです。それが現実になるのだと思うと、今までやってきたことは間違いじゃなかったんだと感動しましたね。

 

――ご自身も今回が映画初主演ですし、気合も入りますね。

 

藤田:嬉しいというよりは、責任感の方が今は強いです。シーズン1、2よりももっといいものを作ってやるぞと。そうでなきゃ、アマゾンズを好きな方には絶対響かないですし。「やるしかない」という気持ちで撮影には挑みました。

 

――シーズン1の最初の頃と比べると、悠の行動や顔つきにかなり変化が見られました。今回の作品を演じる上で特に意識したことは?

 

藤田:実はあんまり役作りというものはしていなくて。シーズンを追うごとに自然と自分自身が悠に入っていったような気がします。ただ、ドラマだと2話ごとに台本を渡されてイメージをするのですが、劇場版では1冊でストーリーの最後まで知ることになるので、終盤に向けて心の変化が表現できるように、始まりの雰囲気というものは意識しましたね。

 

劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 ©石森プロ・東映

 

■顔合わせから、仲良し禁止令!

 

――悠はアマゾンでも養殖で、仁は野生のアマゾン。また、悠は「守るべきものは守る」という信念を持ち、仁は「アマゾンは全て殺す」という固い決意を持っていました。対照的な存在で、2シーズンを通して激しい戦いを繰り広げてきましたが、今回の作品ではいかがでしたか?

 

藤田:出会った頃は悠にとって、仁はアマゾンの師匠のような感じだったと思います。お互いの信念が違っていたので対決することも多かったですが、ストーリー終盤の2人が決着をつけるシーンでは、仁が「俺を殺せ」と表現しているように見えました。彼は今まで「1匹も残らずにアマゾンを狩る」という信念を貫いていましたが、このアマゾンの問題を悠にだったら任せられる、引き継いでくれという意思を感じましたね。


劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 ©石森プロ・東映

 

――状況は変わっても、最初の師弟関係はずっと根底にあったということですね。

 

藤田:「悠になら自分の願いも託せる」と信頼されるほど、深い関係に変わっていったのかと思います。それに仁はシーズン2で全てを失ってしまったので、もう楽になりたいという気持ちもあったんじゃないかな。信頼関係を築いてきた上での、悠と仁の最後の“決着”も今作の見どころかと思います。

 

劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 ©石森プロ・東映

 

――谷口さんとは、撮影中もよく話をされたのですか?

 

藤田:それが、一切話さなかったんですよ。一番最初の顔合わせの時、石田監督から「お前ら仲良くするなよな。意味ないし、そういうの必要ないから」と言われて。なので、ごはんすら一度も行ったことなかったのですが、今回の映画を撮り終えて、初めて二人で飲みに行ったんです。このシーンはああだったとか、どうだったとか、初めて赤裸々に作品のことを語り合うことができました。

 

――ある意味、仁と悠の師弟関係に似ているのでしょうか?

 

藤田:一緒に作品を作った仲間というよりは、谷口さんと一緒に芝居をすると、僕の新しい部分を引き出してくれる気がします。自分が考えてきたもの以上のことができたりするんです。僕にとって、芝居の師匠みたいな存在だと思います。

 

――特に仲の良かった共演者は?

 

藤田:「駆除班」のメンバーとは、もともと作品の中でもチームだったということもありすごく仲が良かったですね。ずっと冗談を言い合ったりしていました。この作品の撮影時も「駆除班」が入った途端、うるさくなって……。石田監督が話しているのに、みんなおしゃべりしていて「うるさい!」と怒られたり(笑)。なので、本当の仲間みたいでしたし、作品の中でも外でも良いチームワークで劇場版までくることができました。

 

 

■作品を通して生きやすくなった

 

――藤田さん自身、悠に似ているところはあると思いますか?

 

藤田:僕自身、高校卒業まではずっと勉強ばかりしていて、インドア気味な生活をしていました。なので、作品当初の悠が引きこもりだったという部分は少し似ていて。僕は大学に通いながらモデルの仕事を始めて、今となっては俳優の世界、芸能の世界に飛び込んでいる。悠も外の世界を知って、やりたいことを見つけて飛び立っていきました。そういった点は似ているかもしれませんね。

 

――作品を通して、悠から学んだことはありますか?

 

藤田:悠って結構悩んで考えがいつも定まらないんですよ。でも、ブレていてもかっこいい。いい答えを探そうという意味での必要なブレというか。自分の信念が根底にありつつも、年齢や経験によって考え方や行動を変えていくというのは別に悪いことじゃないんだ、ということを悠に気付かされました。

 

――この作品が、藤田さん自身のターニングポイントになったということでしょうか。

 

藤田:信念って極端に言ってしまうと、ただの固定概念と紙一重の存在だと思うんです。僕も昔は「こうじゃなきゃいけない」という思い込みが強かったのですが、そういった固定概念が一切なくなりましたね。なので、この作品を通して自分自身すごく生きやすくなった気がします。

 

 

――今後も俳優としての活躍に注目が集まっているかと思います。挑戦してみたい役柄はありますか?

 

藤田:お芝居をすることが好きなので、役柄にはこだわらずあらゆる役に挑戦してみたいです。理想の俳優は賀来賢人さん!シリアスからコメディまで幅広く演じられていて、とても憧れます。自分の性格や雰囲気は関係なく、いただいた役によって変化できる俳優になっていきたいですね。
 

 

■書きためている物語を、いつかブログで発表したい!

 

――アメブロもいつもありがとうございます!2012年からブログを始めていますが、振り返ってみてどんな思いでしょうか?

 

藤田:この頃はちょうど読者モデルをやっていた時で、映画の主演をやらせていただくなんて想像もしていませんでした。当時はモデル業もまだバイト感覚で、ただ目立ちたいからという理由でやっていたと思います。俳優の仕事を始めてからは仕事に対する意識はもちろん、私生活自体も大きく変わりましたね。「なるようになれ」みたいな感覚で生きていたあの頃が懐かしいです(笑)。

 

――今後ブログを通して発信してみたいことはありますか?

 

藤田:実は、たまに物語を書いているんです。映画やドラマだけに限らず舞台などを観に行くと、何かを作りたいという気持ちになることが多くて。今はメモ帳に書き溜めているんですが、いつかはブログで物語を書いてみたいなと思っています。

 

――いつかドラマの脚本になったりするかもしれませんね。

 

藤田:いやいや(笑)。今は「タイムリープ」が気になっています。過去に戻って人生を変えるタイムリープではなく、人生を終わらせていくタイムリープの物語なんておもしろいかなと考えているところです。

 

 

 

――そのほか、最近何かハマっていることはありますか?

 

藤田:半年くらい前からゴルフを始めました。お酒も好きなので、飲みながらやるのが楽しくて。最初は誘われてなんとなく行っただけだったのですが、今ではゴルフ道具も揃えるくらいハマっていますね。

 

――最後に、劇場版『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

 

藤田:みなさんのおかげで『仮面ライダーアマゾンズ』はこの度、劇場版までやってくることができました。ぜひ、みなさん自身の目、耳、そして心で感じて、アマゾンズに対する“最後の審判”をしていただけたらと思います。劇場でお待ちしております!

 

Photography=Mayuko Yamaguchi

Interview=Ameba

Stylist:椎名 倉平 

シャツ、パンツ(Milok) Tシャツ(O.K.) バングル(buff) シューズ(ISHMM)

 

劇場版『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』5月19日公開

劇場版『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』公式サイト

 

劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 ©石森プロ・東映

劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 ©石森プロ・東映

【STORY】

水澤悠(藤田富)は、野座間製薬の特殊研究開発本部長だった水澤冷華(加藤貴子)の養子として世間から隔絶された状態で生活をしていた。しかし、あることをきっかけにアマゾンへの変身能力に目覚め、家を出ることに。彼はアマゾン細胞に人間の遺伝子を移植することで誕生した「新種のアマゾン」だったのだ。そして、人間によるアマゾン殲滅作戦が佳境を迎え、この世に生存が確認されているアマゾンは残り2体。「水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ」と「鷹山仁(谷口賢志)/仮面ライダーアマゾンアルファ」、この2体を狩れば、すべてが終わるはずだったのだが……。新たな「アマゾン畜産計画」と謎の養護施設、アマゾン駆除組織である「4C」。そして悠を迎える新たな出会い、さらなる死闘。「現代に生きるもの」の狭間に立つヒーローの苦悩と葛藤に終止符が打たれる時が来た。激しい運命に翻弄された悠と仁の決着と共に。

 

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