トム・クルーズがスタントなしで挑むアクションが毎回注目を集め、全世界累計興行収入3000億円以上の大ヒットアクション映画『ミッション:インポッシブル』シリーズ。8月3日公開の最新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』では、シリーズで初めて日本語吹き替えにゲスト声優を起用した。


トム・クルーズが演じる伝説的スパイ“イーサン・ハント”を翻弄する闇の組織を操る謎の美女“ホワイト・ウィドウ”は、女優の広瀬アリス。イーサンのライバルであり敏腕CIAエージェント“オーガスト・ウォーカー”は、ロックミュージシャンのDAIGOが吹き替えを務める。アフレコ裏話や、周囲の反応について、広瀬に話を聞いた。

 

 

■「なぜ」だけで20テイク!

 

――シリーズ6作目で初めて、吹き替えにゲスト声優を起用ということで、オファーがあったときの感想をお聞かせください。

 

広瀬:お話をいただく少し前に、たまたま新作が夏に公開されるということをテレビで知って、「楽しみだなぁ、観に行かなきゃ」なんて完全に一視聴者として思っていたので、まさか自分がやるとは思わなくて、びっくりしました。嬉しい反面、プレッシャーがすごくあります。

 

――オファーが来たのはどうしてだと思いますか?配給の担当者は、広瀬さんの起用について「世代最高の女優さんで、どんな役柄でも演じ分けるその演技力は既に誰もが認めるところ。敵か味方か分からぬ謎に包まれた複雑な役どころですが、ミステリアスかつセクシーに魅力的に演じてくださると確信した」と話しています。

 

広瀬:光栄ですが、自分ではまったく…。声のお仕事は、1日2日でできるものじゃないですし、ファンの方もたくさんいる作品なので、嬉しいけれども緊張の方が大きいです。

 

 © 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

 

――役についてはいかがでしょう?

 

広瀬:“ホワイト・ウィドウ”を演じる女優のヴァネッサ・カービーさんは撮影時は20代後半で、私とそれほど年齢が変わらないらしく、「えっ!」と思いました。落ち着いていてゆったりとした話し方で、声も低めのトーン。私とは違うんですね。アフレコも何テイクもし、苦労しました。

 

――アフレコではどういうセリフが難しかったですか?

 

広瀬:「なぜ」だけで20テイクぐらいしました!ひとことが難しかったりするんです。なぜ?なぜ!なぜ…?といろいろやっても、思うようにできない。「なぜ」が言えないっていう…。最終的には、「どうしてなの」と言葉を変えたと思うのですが、強弱、抑揚、喜怒哀楽、その全部を声だけで表現するのってなかなかできないと、すごく実感しました。

 

 

■「セクシーな声」がお題だった

 

――役作りはどのように行ったのですか?

 

広瀬:映像や資料、台本を見て準備をしたのですが、現場で、それこそ細かいところも全部、直してもらいました。セリフの言い方がどうしても普段のお芝居のようにナチュラルになってしまうので、「もう少し大きくして」と何度も指摘されました。「なぜ」がトラウマです(笑)。

 

――映像拝見しましたが、色気を感じさせる声でした。

 

広瀬:めっちゃ嬉しい!声は、事前にお題で「セクシーな声で」って言われたんです。セリフも、出ずっぱりではないのでアフレコは1日だけだったので、本番で監督から言われたことに忠実にできるよう、イメージは7割ぐらいつくって挑みました。普段のお芝居はガチガチに固めていくのですが、専門的な世界ですし、後は現場で逐一直してもらおうと思いました。

 

――DAIGOさんも吹き替えに起用されていますが、広瀬さんの吹き替えについて、「謙虚な方で難しかったと話していたけれども、女優さんをされていることもあり素敵な表現をされていたなと思いました」と話していました。DAIGOさんの吹き替えの映像を見られて、いかがでしたか?

 

広瀬:最初、観たときにDAIGOさんの声だとわからなくて。こういう声を出されるんだ、というのが第一印象。役の見た目と合っていてすごく説得力があって、ダンディな感じ。すごく好きでした。

 

 

■ダークで嫌な役をやって、イメージを壊したい!

 

――広瀬さんは闇の組織を操る謎の女という役ですが、共感できる部分はありましたか?


広瀬:私は、ホワイト・ウィドウのような女性に憧れていて、とてもかっこいいです。ホワイト・ウィドウのアクションシーン(太ももから武器を出す)、一発OKでした!すごくかっこよくて。私も、やっていて気持ちよかったです。

 

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――次に吹き替えでオファーがきたら、どういう役をやりたいですか?

 

広瀬:声優のお仕事はやるたびにすごすぎて、これはやってはいけないのかもしれない、と思ったりしてしまうんです。どちらかというと、普通のお芝居で、暗殺者の役や嫌な人物を演じたいです。明るくて良い子の役が多くて、バラエティー番組でも、わーっと明るく笑っていることが多いので、イメージを壊していきたいんです。暗殺者の役や悪役、待っています!

 

――今回のアフレコについて、広瀬さんはアメブロを更新されていますがファンのコメントや家族から、なにか応援コメントをいただきましたか?

 

広瀬:家族は、妹(広瀬すず)もお互い忙しくてあまり会わないので。特にないですね。でも、私が吹き替えを務めたことで、これまで観たことがなかったけれどアリスさんがやるなら観たいという声はいただき嬉しかったです。

 

――それは嬉しいですね!プレッシャーのほどが伝わってきますが、観た後の感想、楽しみですね。

 

広瀬:「意外と、違和感なく観られた」と言ってもらえたら、よっしゃ!!ですね。私はこれまでにも、声のお仕事を何度かやらせていただいたことがあるのですが、「気にしないで観られました」「不自然じゃなかった」という感想が、一番ほっとしたし、うれしかったんです。

 

――最後に、映画の見どころを教えてください。

 

広瀬:登場一発目からなかなかハードなシーンです。実は、ホワイト・ウィドウは過去の人物と繋がりがあって…。最初のシーンを絶対に見逃しちゃいけないです!

 

――ご自身の吹き替えの部分では?

 

広瀬:温かく見守っていただけたら(笑)。それだけで、私は救われます。

 

 

Photography=Yoko Senda

Interview=Ameba

 

映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』8月3日(金)より全国ロードショー

☞映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』公式サイト

 

 

【STORY】

何者かに複数のプルトニウムが盗まれた。イーサン・ハントとIMFチームは、その“同時核爆発を未然に防ぐミッション”を受ける。だが手がかりは薄く、“名前しか分からない正体不明の敵”を追う中でのミッション遂行は困難を強いられた。タイムリミットが刻一刻と迫る中、IMFに立ちはだかるのは、イーサン・ハントを疑うCIAが送り込んだ敏腕エージェントのウォーカーで、イーサンは彼との対決を余儀なくされる。そして、いくつもの<フォールアウト(予期せぬ余波)>が絶体絶命のイーサン・ハントに降りかかる。今度のミッションの不可能は一つではなく、連鎖したたみかけるようにIMFに迫る!

 

原題:MISSION:IMPOSSIBLE -FALLOUT

監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー

 

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