(公式) 洋楽ロックの根源にあるもの、それはブルーズなのです。

ペンタトニック・スケールにブルーノートな音使い、3コードを基調としたシンプルな
コード進行に、何度も繰り返される呪術的な意味を持つ印象的なリフ。

ビートルズにストーンズ、その後のクラプトンやツェッペリンから始まる、いわゆる「ロックの歴史」のすべてが
ここから始まります。

今日のこの映像、なんと50年前のものです。「世界のナベアツ」っぽいおじさまが、モダン・ブルースの巨人、
マディ・ウォータース師匠。

黒人コミュニティー的にはブルースは50年代前半で廃れてしまっていて、ショービズ的には
もはや「あの人は今?」状態になっていたのですが、上記のイギリスの若者たちが60年代中ごろに
チャートを席巻しはじめ、そのリスペクト(=パクリ)の対象として、マディ師匠やハウリング・ウルフ師匠の名を
口々に語ったことから突如、ブルーズ・ブームが再来した、という経緯があります。

当時、憧れのチェス・スタジオでレコーディングできることになり米国に嬉々として乗り込んだストーンズの面々が
現地に着くと、もはや引退同然のマディ師匠がスタジオの庭師をやっていたという、なにやら怪しげな
都市伝説もありますが...バカボンのパパか!

ピアノにオーティス・スパンに、ブルース・ハープにはサニー・ボーイ・ウィリアムスン、
ベースにウィリー・ディクソンなどなどの鉄壁の布陣。(あんま詳しくないので間違っていたら
すいません)。この演奏の収録されたライブ・アルバム、演奏はもちろんのこと、ジャケ写も最高にクールで
20代前半に愛聴したものです。

Got My Mojo Working / Muddy Waters



それから30年後、MTVの登場によって音楽を取り巻く状況が一変してしまいました。

前回も申し上げましたがそんなトレンドに今ひとつついていけなかった私ですが、今日
もうひとつ紹介するこのユーリズミックスのように、表面上の作りこみ方はとても80年代
なのですが、その根底に流れるのはマディ師匠から脈々と流れる「ブルーズ魂」(グループ魂
とは全く別物ですよ、そこの若者!)を感じさせてくれるバンドには共感を覚えたものでした。


Eurythmics / Missionary Man



鍵を握るのがギターのデイブ・スチュアートという御方。

この曲なんかモロに、ソウル系ですよね。バックコーラスのシスターさんたちがカッコいいなあ。

Eurythmics / Would I lie to you?




前回に引き続き渋すぎる選曲だなあ。

まあ何事においても「基礎」はスルメイカ系ですね。何度も何度も繰り返し味わってくだされ。