自然が好き仲間の友人から『RISTORANTE DA FIORE(リストランテ・ダ・フィオーレ)』ってお店、お友達から素敵と聞いて行きたいんだけど。とお誘いが。オーナーシェフの眞中秀幸氏のInstagramがとても素敵で以前よりフォロー&チェックしていたので、答えはもちろんYesです!シェフはご覧の通り、アーチストのような感じなんですが、空間も料理もまさにアート。とても気持ちいい時間を過ごさせていただきました。

 

 

気持ち良い時間が過ごせたのにはいくつか理由があります。都会の中にもたらされた自然とアート。そんな感じがしませんか?レストランのコンセプトは「自然との対話」。私はここに多くの美的センスが散りばめられているように感じました。

 

テーブルの上に目をやるとダークな空間に生える自然の緑。シェフの美意識と共に、静寂の中に生命力が宿るような雰囲気が漂います。

 

 

まずは塩レモンのレモネード。甘すぎなく塩の感じが爽やかです。

 

 

ズッキーニの雄花

昔はお花を食べるなんて思わなかったよねなんて話しながら、立派なズッキーニの花を眺めていました。食べられる期間が短いだけに出会いうチャンスもレアな花ズッキーニ。しかもオーガニック。心が騒ぐのは私だけではないはずです。

 

モッツァレッラ発祥の地といわれるカゼルタのモッツァレッラ ディ ブッファラとアンチョビ、エストラゴンを詰めフリットに。サクサクっと揚げられた甘味のある雄花とミルキーなチーズの美味しさの調和が素敵。ナチュラルな美味しさを引き出すのは、良質のモッツアレラじゃないとダメ。シャンパンとの相性も抜群ですね。

 

 

根セロリ、オリーヴオイル、水、塩

シェフのポリシーとしてブイヨンは使わず食材と水と塩だけでスープを作っているとお話ししてくださいました。ということはスープはいつもここのポジションなのかな。このスープも根セロリと水、そして塩だけで作っています。シンプルかつストレート、そしてクリームを入れたように柔らかな味わいでした。アクセントはオリーブオイル。

 

根セロリもご立派ですね。美味しい食材ですが家では調理したくないでかも。レストランで食べるべしですね(笑)

 

 

ジロール、百合根、夏トリュフ、アルガンオイル

良質な食材が運ばれてきました。「自然との対話」がレストランのテーマですが、私たちにもわかりやすいよう、こんな風に食材を出して下さってるいのではないでしょうか。食材のカタチや香りを確認し、そこから感じるものもある。イマジネーションを膨らませながら、料理を食べるドキドキ感もまた楽しいし、より印象深くしてくれます。

 

百合根は最高級、北海道の月光です。ご立派ですよね。しっかり甘味こある百合根が大好きです。

 

サマートリュフはオーストラリア産とおっしゃっていたかと思います。

 

ジロールもいい香り。そしてこの褐色なあんず色がいいですね。

 

百合根は40度のアルガンオイルの中でじっくり火入れ。まさに百合の花のような甘さと香りを引き出します。ちょっとキャラメル香もあり、ここにジロールの力強い香りと、厚切りにカットされたトリュフのサクサク感と軽い苦味といった食材のバランスが調和します。シャンパンとエシャロットを煮詰めたソースで和えて旨みを加えて。

 

 

シロイカとエストラゴンの花

百合根の料理は複雑な味わいのバランスの妙がありましたが、こちらはシロイカの美味しさが口いっぱいに広がる直感的な美味しさ。赤ワインビネガーとオリーブオイルというシンプルな味付けですが、決め手の塩味は、サルディニアのからすみので濃厚なコクと上品な塩味。これは日本に30-40本しか入ってこない上質なものだとか。貴重ですね!ここには噛み締めるとぎゅっと野菜の旨みと軽い爽快感のあるカラシ菜が加わりました。

 

エストラゴンの花も可憐で素敵。

 

 

カモ、アカシアのハチミツ、早摘みのオリーブオイル、竹炭塩

フランスオーベルニュの鴨をスモークで。ハチミツとオリーブオイルを塗ってスモークしていたのかな。仕上げはトスカーナの早摘みのちょっとピリ辛のオリーブオイル。

 

 

緑野菜、ハーブ、山羊のチーズ

アスパラ、スナップエンドウ、オクラ、いんげん、さやえんどう、たんぽぽの葉っぱ、豆のツルなどが並べられています。フレッシュや炭火焼き、茹でたりとさまざまな調理法で。実は本来味付けされ登場する料理ですが、アルガンオイルやオリーブオイルの話をしていたら、シェフからいろいろ食べ比べてみるのはいかがですか?と提案があり、味付けせずに仕上げに山羊のチーズだけかけオイルを添えて出してくださいました。こりゃ楽しい!!

 

並列で並べてあるのですが、自然との対話をコンセプトとしている眞中シェフは、自然の循環を想像できるように表現したいと、太陽の方を向いたスタイルで野菜たちを並べていました。だから並列なんですよね。白いお皿の上に野菜だ並んだだけ・・・なんですが、野菜のクオリティがいいとこうまで美しくになるものかと思いました。

 

オリーブオイル2種とアルガンオイルの食べ比べです。トスカーナのイル・レッチェートとシチリアのパンタレオ DOP、アルガンオイルはFlora Laboのコールドプレスのもの。アルガンオイルって時々いやな匂いがして苦手だったんですが、これはほぼ香りがしない。料理の味を妨げないピュアなものでした。

 

 

 

思い思いにオリーブオイルをかけて。ちなもにいつもはイル・レッチェートのオイルで味付されているそうです。

 

 

 

雨季を彩る葉野菜

つるむらさきとあしたばにワインや酢橘、日本酒やハーブで作ったハーブスープを注いで完成です。スダチは輪切りも添えてあり酸味のアクセントも。ほんの軽く火を入れた(むしたのかな?)少しクセとぬめりのある野菜が、優しいスープを注ぐことでフレッシュな香りを醸し出して、とてもいい青いフレッシュないい香りがしました。

 

 

エゾジカと自然栽培クレソン

蝦夷鹿はシンタマの部位を。茨城県の大子町で綺麗な水と太陽の下で作られた自然栽培のクレソン

 

ホロホロ鳥と木の芽

ホロホロ鳥は一度グリルしてから、月桂樹とにんじんの葉で香りづけ。シェフはお肉などにももちろんこだわっているのですが、説明などを聞いていると野菜が主役。今回も最後にこんな感じで香りをつけて私たちのもとへ届けてくださいます。

 

じゅぅ〜っと焼けたいい音を感じてくださいませ♪

 

 

最後は木の芽を添えて。しっとりした焼き上がりです。あ、すっかり木の芽の香りに感激して、にんじんと月桂樹で香りづけされた肉の風味を堪能するのを忘れて、ひたすら美味しくいただいておりました💦。私もまだまだ甘いですね😅

 

ピスタチオとオリーブオイル

シェフにこれ通販してくださいと懇願してしまったピスタチオのアイスクリーム。まあとにかく濃厚なんですよ。ピスタチオぎゅーって感じで。砂糖もとんがっていなくて、しかしながら三温糖とかのもっさりした味じゃないので聞いたところ、オーガニックのグラニュー糖を使っているとか。厳選された食材はそれぞれが重なり合うことで美味しさを生み出していますね。オリーブオイルはパウダー状にして添えてあり一緒に食べるとニュアンスが変わります。

 

 

リコッタと青トマト

自家製リコッタチーズは青トマトのコンフィチュールと。丸ごとコンフィチュールになっていて、甘さはあるけど、トマトの酸味もあるさっぱりデザートで締めくくりました。

 

 

抹茶と小菓子

シェフが自ら点ててくださいました。茶道教室にも通われているので、本格的!

 

シェフが抹茶を点てるところ♪シャカシャカな音も是非聴いてみてください!

 

 

話は変わりますが、デザインは人の心を揺さぶる要素を持っています。人の心を満たしたり、幸せにしてくれたりしますよね。私は長年食べ歩いていますが、なぜレストランに行くのか?と聞かれた時、若かりし頃は、美しい料理をいただくことで感性を高められるから。なんて答えていたことがありました。ここにもそんなレストランの料理を食べることへのひとつの答えがあるように思います。ずらっと並んだ器の色合いを見てみると、全て同じようなトーン。

 

おっと、ひとつだけカラフルなツボがありました。これは陶芸家の伊藤剛俊氏が画家の小澤雅志さんとコラボした作品でも料理には使われません。他には、同じく益子の松崎健氏の器が使われていましたが、選ぶ感性やこな器から生まれる料理もあるような気がします。

 

 

同じ伊藤剛俊氏の作品ですが全く違いますね。スクロールして料理の写真を再度みていただくとお分かりだと思うのですが、眞中シェフの料理は緑が多い。レストランのコンセブとは、「自然との対話」ですが、シェフはお肉などはあまり説明しなくて、野菜のことばかりお話される。野菜がすごく好きで、情熱を注いでいらっしゃるのがすぐにわかりました。店内もダークな空間にグリーンが添えてある感じで美意識が高く統一されています。料理は人を表すと思いますが、穏やかで芯のある方だな〜と思いましたが、そんなシェフのお人柄がまさに料理に映し出されているようでした。

 

テーブルも自然の中のゆらぎを感じるようで、ブレていない。シェフの美意識は、『DA FIORE』の入ったビルの階段を降りて行くところからスタートし、お店に入るとその揺るぎない世界が広がった感じでした。都会の中で、和やかに自然との対話が愉しめるレストランです。

 

 

RISTORANTE DA FIORE

(リストランテ・ダ・フィオーレ)

東京都渋谷区神宮前5-39-3 表参道OSAKI SQUARE BDL B1-1

03-5766-9703

水曜日(不定休あり)定休

RISTORANTE DA FIORE イタリアン / 表参道駅明治神宮前駅原宿駅
夜総合点-