映画や絵本を元にした料理って一度は食べてみたいと思ったことはありませんか?

そんな夢が素敵すぎるレストランで叶った瞬間でした。メニューは100年以上前に考案された今やフランス古典料理と呼ばれる料理の数々でした。

 

ポトフって食べたことありますよね? 『ポトフ 美食家と料理人』はそんなフランスの家庭料理がキーとなって物語が進行する映画です。物語の舞台は19世紀末のフランス。主人公であるシャトーに暮らす有名な美食家ドダンと天才料理人ウージェニーが作り究極の料理の数々が美しい映像で登場します。100年前のお話ですが、現代のレストランシーンを風刺しているような印象もあったりして(笑)

▼ポトフオフィシャルサイト▼

 

予告編のYouTubeです。映像がとても美しいのでちら見してみてください🎵

 
この映画で監督のトラン・アン・ユン氏は、第76回 カンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞。第96回アカデミー賞にも国際長編映画フランス代表として選出されています。そして料理を監修したのが、美食の巨匠ピエール・ガニェール氏でした。
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映画ではユーラシア皇太子をもてなす料理として家庭料理であるポトフが登場します。この家庭料理がどうやってガストロノミーの料理になるのか。そしてどんな物語があるのか。映画の中で登場したガストロ・ポトフをはじめクラッシックな料理は、映画の公開記念としてピエール・ガニェールパリ本店でも提供。そして日本での公開に合わせて、ガニェール氏が監修する東京・溜池山王にあるANA インターコンチネンタルホテル東京で、2月29日まで公開記念コースが味わえることとなりました🎵

 

▼インスタグラムのリールでもご紹介しています▼

 

 

 

『Pierre Gagnaire(ピエール・ガニェール)』は、ANA インターコンチネンタルホテル東京の36階に位置します。東京タワーや港区界隈のビル群の夜景が美しいレストラン。2010年3月に開業し、ミシュランガイド東京では13年連続二つ星を獲得しています。

 

 

 

100年前の美食家たちが食べていた極上メニューを堪能できるのは期間限定の「ムニュ・ドダン」。映画の主人公の名前のついた全5品の特別コースです。

 

まずはウェルカムフードから。ピエール・ガニェールらしく、小さなおつまみからスタートです。様々な食感が楽しめる盛り合わせになっています。

 

サーモンとクリームチーズのグジェール、マロンのチュイル、カマンベールチーズに砕いたカシュウナッツを乗せたパイなど指でつまんでいただけるもの。

 

赤ワインにカルダモンやシナモンなどをいれて煮詰めたホットワインのムース。

 

ワインの軽い酸味と甘味、そしてスパイスが入り今の季節っぽいグラスでした。

 

串に刺さったのは小さなじゃがいものコロッケであるポムドフィーユ、紅芯大根といぶりがっこそしてミモザの湯葉巻きはスプーンでそのまいただきました。

 

パンはカンパーニュ、ミルクパン、ドライフルーツの入ったものなど3種。ドライフルーツのパンが気に入っちゃったので、今度ホテルの2階にあるピエール・ガニェール パン・エ・ガトーで購入してみたいと思います。

 

バターはボルディエ。TTのロゴマークはテーブルつまり食卓を意味します。

 

アミューズブーシュがさらに続きテーブルが小さなお皿で埋め尽くされます。

 

アミューズブーシュ/ホタテ貝

ホタテはラディッシュとグリーンオリーブのソースで。ライムで爽やかに。

 

アミューズブーシュ/レタスのブレゼ

実はこれとても美味しかったんですが、ブイヨンでレタスをサッと煮込んだブレゼ。ベーコンや野菜のソースをかけています。いくらでもいただけるお野菜。

 

アミューズブーシュ/菊芋のロワイヤル

菊芋の茶碗蒸しというかプリンのような濃厚なリッチな仕上がり。上には黒トリュフのソースが贅沢にかけてありますが、ソースが崩れず美しく乗っているのも素敵✨

 

アミューズブーシュ/真牡蠣 赤ビーツ 熟成コンテチーズ

真牡蠣はポシェで。ビーツの独特の味わいのスープとしっかり熟成したコンテチーズ。

 

ここから映画と関連した料理が登場します。「厨房のピカソ」と異名のあるガニェール氏の料理は本来クラッシックから一歩踏み出した前衛的で洗練された料理が多いですが、ムニュ・ドダンではクラッシックな王道フレンチメニューが登場します。普段と違う、ガニェールの料理が楽しめるのはこのコラボだけ!!

 

 

ヴォル・オ・ヴァン

パイ生地で器を作り、その中に詰め物をする王道フレンチ。

 

パイの中にはリー・ド・ヴォー 鶏のムース ラングスティーヌ  烏賊が入っています。目の前で食べる直前にブールブランソースをかけパイのサクサク感も楽しめる食感に。 シイタケのソテーとヴォル・オ・ヴァン本来の蓋も添えてあり芸が細かい。

 

 

ミルクの中でポシェしバターでローストしたヒラメ

ジュ・ヴェール 生ハムのクリスティアン

赤と緑の美しいコントラストですね。このモダンな盛り付けは100年にはなかったんじゃないかなと思うんですが、調理法はポシェとポワレという教科書通りのやり方で。

 

ヒラメをミルクの中でポシェ。現代ではアミノカルボニール反応を用い焼き目を綺麗にする目的で使うシェフもいらっしゃるようですが、今回は焼き目を入れておらずとろけるようなヒラメの食感。おそらく昔は物流が良くなかったので臭みを取るためにミルクの中で火を入れたのかなと思ったりします。実は昔フランスの山の中のレストランでエビを食べたことがあったのですが、かなり消毒液のような味がして食べられなかったことがあるんですが、これも山の中で長時間輸送された魚を食べる手段だったのかなと納得したのですが、まあ100年前の状況を想像するに臭みを消すための手段だったのかなとたやすく想像できるわけで、当時の情景を思い浮かべながら、料理と映画の真髄に近づいたような気がしました。

 

 

ドダンのポトフ

そして映画のタイトルとなっている"ポトフ"の登場です。

仔牛のすね肉、牛頬肉 、鴨肉、牛骨髄、冬野菜を煮込んだ王道。最近はベーコンやウインナーなどをいれることも多いですが、これは昔のスタイルらしく、昔は骨髄などで旨味を出していたのかなと思います。そしてポトフの定番のじゃがいもとニンジンですが、ガニェールらしくなんともオシャレな姿で登場しました。

 

お肉の間にペコロス、牛蒡、リーキ、そしてスリムなニンジンが入れ込まれています。芽キャベツのは葉が散らしてあり動きもあり美しいですね。最後にじゃがいもとバターで仕上げたポトフのブイヨンをかけていきます。じゃがいもがゴロゴロ入ったまのではなく、ポトフの要素はそのままにガストロノミースタイルの料理になっているわけです。ポトフは産業革命で発達した肉と野菜が一気に食べられる作り置き料理として発展したと思いますが、まさかこんな食べ方があるとは!!!現在でもイノベーティブフュージョンというスタイルがありますが、こういう守破離な料理というのは当時も一部の遊び心のある美食家たちの中で行われていたかもしれませんね。

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小さな器が添えられるのもガニェールスタイル。

 

牛骨髄とパン・ド・カンパーニュ

コンソメジュレ ピュイ産緑レンズ豆と大根

 

 

ノルウェー風オムレツ

ベイクドアラスカなんていう呼び名もあります。そして映画の中でもゲストの感嘆を呼ぶデザートです。目の前でデザートを燃やしてしまうんですからそりゃ驚きますよね。

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▼炎の動画はインスタグラムのリールでご覧ください▼

 

 

映画の中ではスポンジでアイスクリームを挟んでいましたが、こちらではブリオッシュでアイスクリームを挟み周りにメレンゲを纏わせ焼いています。チェリーのコンフィとコンフィチュールを添えて。

 

最後クロシェで蓋をして炎を消し、リキュールの香りを楽しむというお楽しみがありましたが、甘くて誘惑されそうな香り〜。メレンゲの塊にナイフを入れると中には固まったアイスリームが入っていました。アイスクリームだって木製のマシンで作られいた時代に、冷温の2つの温度がある食べ物はこの時代から生み出されていたって、当時のフランスの食文化の凄さを思い知らされます。

 

コーヒー

 

プティフール ピエール・ガニェール

メロンのコンフィが加わったキャラメルとチョコーレト🎵

 

今回の映画とのタイアップは東京で厨房を守る赤坂洋介シェフがいらした故にできた企画ですが、映画を見てこのメニューを食べてクラッシックなフレンチに興味を持った方も多いかも。2月末までの期間限定なのでこの機会に是非お召し上がり下さい🎵

 

私が今回いただいた「ムニュ・ドダン(Menu Dodin)」 は、37,290 円

※ヴォル・オ・ヴァンを除いた「ムニュ・ポーリーヌ(Menu Pauline)」 31,075 円のご用意もあります。ワインのペアリングは 18,645 円~もありました。

※いずれも、お 1 人様/税・サービス料込み

 いずれも、2月29日までの提供です。

 

 

 

Pierre Gagnair(ピエール・ガニェール)

東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京 36F

03-3505-1185

月曜・火曜定休