「ところでヴィル

ニトヴァルテンで何があったんだはてなマーク

 

 

逃亡(13)

 

ふたりから自然な笑顔が溢れるのを見てとったハンスがいった

 

その途端、また笑顔が消えたが

ヴィルが肩をすくめて

 

「ゲオルグがまた馬鹿をやったのさ」

 

とシュテファンから聞いた

エメッテンでの事件を話した

 

ゲオルグに入浴中に襲われたこと

彼を打倒して逃げてきたこと……

 

それでしばらく

ここでかくまって欲しいのだ、と

 

「なるほどな」

 

話を聞き終わったハンスはいった

 

「俺もヴィルと考えは同じだ

しばらくこの屋敷に隠れているがいい

すぐにほとぼりは冷めるだろう」

 

「何も遠慮しなくていいのよ

ここなら何も不自由しないから」

 

テーブルを片付けながらシビルがいった

 

「ありがとう。本当にそうならいいんだけど……

あいつのやることはどんどん酷くなる一方なんだ」

 

シュテファンはそういいながら

皿を集めるのを手伝う

 

「やつの横暴に手がつけられないのかはてなマーク

 

ハンスが眉間にしわを寄せた

 

「みんな後の仕返しが怖くて……

何をされても黙ってるんだ」

 

「そいつは困ったな」

 

腕を組んでため息をつく

 

「あの野郎、未だに仕返しなんて子供じみたことを

繰り返しているのか」

 

ヴィルが肩をすくめて

テーブルに両肘を付いて手を組んだ

 

「どんな仕返しをするんだはてなマーク

 

 

つづく