すー子です
10月のある日の午後。
母から電話がかかって来ました
『お姉ちゃん。悪いんだけど、入居保証人になってもらえる?』
金銭にだらしのない親なので、躊躇した私は
「弟はだめなの?」と聞きました
(弟は、親と同居しています)
『はい。わかりました』と一方的に電話を切ろうとする母
「入院? 何かあったの?」と私が理由を聞くと
父が未明に救急車で運ばれた(電話が来たのは、救急車で運ばれてから10時間後)
入院保証人の記入欄があり、どうして良いか分からず電話した💦
状態が良くないので現在HCUに居るとの事
一般的な感覚だと
入院保証人のお願いよりも、まず救急車で運ばれた事を連絡しませんか?
電話を切った後、すぐに総合病院のHCUへ向かいました
高度治療室に入ると
最後に会った姿から
見る影も無いほど痩せ細った父がいました
焦点の合わない宙を見上げて、現実の世界と意識の向こう側を、行ったり来たりしているような状態でした
「お父さん!来たよ!」と声を掛けると
少し笑って、声にならない声で
『入院保証人』と言ってきました
「もう それ以上話さなくていいよ! そんな事気にするんじゃない!!」
私はそう声を掛けました
HCUの面会時間は僅か15分
「明日も来るからね」そう声を掛けて自宅に戻ったのですが…
状態が良くないから家族の方は来て下さいと、夜に病院からの連絡
HCUに向かい、対面した父は私の顔を見て
一瞬だけ笑顔になりました
翌日の昼、父の心拍が止まり
一時的に繋ぎ止めた命の時間に、家族が集まり
家族に見守られながら旅立ちました
父と交わした最後の言葉は
『入院保証人』でした