まず先に申し上げなければならないのは、正しく国民の民意が偏りなく反映される選挙は民主主義の根幹である事には異論はなく、むしろ絶対的に必要であると私も思っています。

 

しかし偏ったり時代にそぐわない選挙は寧ろ悪だと言う事です。

 

Beware of false knowledge; it is more dangerous than ignorance.

間違った知識には注意せよ。それは無知よりも危険である。
ジョージ・バーナード・ショー 

(アイルランドの文学者、脚本家、劇作家、評論家、政治家、教育家、ジャーナリスト) 

 

彼が言うように

選挙は民主主義の根幹である=選挙は不変の真理

だと思っている人々は考えを改めなければ害を及ぼす事を知るべきだと思います。

もしどんな選挙も正義であるとするのなら、実際に選挙だけでみれば共産主義の中国でも行われています。

日本と中国は違うと言う人もいますが、何を根拠に、何を証拠に、そこで行われている選挙が選挙と言えないか、批判する方に立証に値する証拠と証明はできないはずです。

つまり中国の選挙は選挙ではなく日本の選挙だけが正しいと証明も無く立証もできないのに、選挙は絶対だと言う論理に矛盾したことになりますし、それは個人的な思い込みの妄信であり不勉強であり差別と変わらないと認識するべきことだと思います。

私が申し上げたいのは

疑う事を忘れず、人道的、道徳的に正しい事がないがしろにされたまま長期化した場合、原因がどこにあるか全てを疑い検証することが必要だと言う事です。

疑う対象は全てです。例外を作っては真理は見えてきません。

 

ではまず人口推移から見てみましょう。

以下は総務省のデータから抜粋しました。

 

 

  • 15~64歳人口の割合は59.4%で、比較可能な1950年以降過去最低
  • 15歳未満人口は1478万4千人で、前年に比べ24万7千人の減少となり、割合は11.8%で過去最低となっています。
  • 15歳~64歳人口は7450万4千人で、前年に比べ58万4千人の減少となり、割合は59.4%で、過去最低となっています。
  • 65歳以上人口は3621万4千人で、前年に比べ18万8千人の増加となり、割合は28.9%で過去最高となっています。
  • 75歳以上人口は1867万4千人で、前年に比べ7万2千人の増加となり、割合は14.9%で過去最高となっています。(結果の概要 4~5ページ)

 

 

総務省統計局 HPより

 

ここで驚きの現実を御話致します。

年々出生率は下がり過去最低の報道は毎年されています。

実際に減り続けているわけですから、今年生まれた赤ちゃんの人数が20年後の働いている人口にであることは絶対にかわらない決まった未来です。

例えば、わかりやすく説明すると、

これから2050年まで、毎年1年ごとに約沖縄県全体の人口と同じ人数が減っていきます。

28年後には現在と比較して人口330万人が減り、20歳の若者は190万人、福島県1つと同等の人数が日本から消えていく事が決定しています。

人口が減り、高齢化は進みます。買い物をする人たちも、どんどん減ってきて経済も縮小し、税収も減っていきます。

高齢化は益々進み、過疎の限界集落のような状態が日本全体に起こるのです。

2050年には現在と比べて330万人の人口が減る事は決定事項なのです。

統計から見た数字では

2050年の20歳~24歳の人口は3043950人

(最近の減少率6.8を維持した楽観的な数字計算)

現在の20歳~24歳の総人口6870000人ですから

減少率は44.3%、現在と比べて383万人減少する事に成ります。

この数字は少し静岡県1つ越える人口が20歳~24歳だけの人口で消えてしまう事に成ります。

 (1) 年齢5歳階級・男女別(日本人人口)

年齢階級 総数
 
総数 125 947 000 61 424 000 64 523 000
0 ~ 4 歳 5 347 000 2 740 000 2 608 000
5 ~ 9 5 736 000 2 942 000 2 794 000
10 ~ 14 5 935 000 3 040 000 2 895 000
15 ~ 19 6 074 000 3 114 000 2 959 000
20 ~ 24 6 870 000 3 536 000 3 334 000
25 ~ 29 7 379 000 3 767 000 3 612 000
30 ~ 34 8 788 000 4 467 000 4 321 000
35 ~ 39 9 419 000 4 775 000 4 644 000
40 ~ 44 8 248 000 4 167 000 4 080 000
45 ~ 49 7 660 000 3 853 000 3 807 000
50 ~ 54 7 731 000 3 862 000 3 869 000
55 ~ 59 9 764 000 4 828 000 4 936 000
60 ~ 64 8 902 000 4 345 000 4 557 000
65 ~ 69 7 999 000 3 825 000 4 174 000
70 ~ 74 6 927 000 3 199 000 3 728 000
75 ~ 79 5 685 000 2 464 000 3 221 000
80 ~ 84 4 044 000 1 562 000 2 482 000
85 ~ 89 2 165 000 643 000 1 522 000
90 ~ 94 951 000 235 000 716 000
95 ~ 99 285 000 55 000 231 000
100 ~ 41 000 6 000 35 000

資料:「平成20年10月1日現在推計人口」(総務省統計局)

 

私は人口が減ることは全部悪いとは思いません。

しかし、とても近い将来に人口と、人口に関連した事象に対応できる制度設計をしているのだろうか、具体的に何を進めているのか見えない所に恐怖さえ感じます。

例えば年金制度です。

現在の御年寄りを現在の働いている世代が支え費用を支払っています。その制度は未だに変わっていません。

年金は無くならないかもしれませんが月額100円になることは冗談ではなくなっている状態が日本では進んでいます。

移民を取ればと言う人もいますが、ただでさえ他の国々と比べて多言語を話せない国民が多い事、そして外国人に対して差別意識が高く(特にアジア系)排他的な思想の人が多い日本で今のままではうまくいくわけがありません。

実際、農業実習生や職業訓練生で労働基準法を無視して過酷な労働を強いて給与も正しく与えていない事実が多数出ていた事でも証明されます。

さらには少子化は未だに止まっておらず、有効な政策も施行されていません。場合によっては移民の人口が比率で圧倒した場合、アメリカ大陸にイギリス人が渡り、原住民であるインディアンを迫害した事が起こらないとも限りません。

 

上記したことは低い確率の話ではありますが、振り返って人口推移と選挙制度を見て、私には時代に合わない制度であり、公平ではない事に気付きました。というか気付いていました。

 

以下は総務省のデータから抜粋した投票に関する資料です。

総務省 HPより

 

まず見なければいけないのは昔から20歳代の若者は投票には消極的でした。

よく年寄りが若者が投票しない事を責めますが、その年寄も20歳代は投票を一番していなかった世代であった事が見えて、説得力がない事が証明されています。

またなぜ50歳代や60歳代が投票するように成ったか見ると、自分自身が退職近くになり資産や老後を急に気になりだして、自分の為になる制度を維持したくて投票行動を起こしています。

つまり中には人の為と嘯いて自分の為に投票行動を正当化し、他人に投票すべきと述べる一面があるのです。

 

次に投票率が2回大きく落ち込んでいます。

平成の初頭、消費税導入からバブル崩壊で政治不信から投票率が下がり、

次に

2009年の民主党政権の失政で政治不信になり投票率は落ち込みました。

投票率が下がる大きな原因は今も昔も政治不信である事は変わらないようです。

 

さて本題です。

次の表をご覧ください。

人口  投票率 投票人数
0歳~9歳  4320000    
5歳~9歳  4990000    
10歳~14歳  5330000    
15歳~19歳  5530000    
20歳~24歳  6620000 30.96% 2049552
25歳~29歳  6360000 30.96% 1969056
30歳~34歳  6470000 38.78% 2509066
35歳~39歳  7280000 38.78% 2823184
40歳~44歳  8030000 45.99% 3692997
45歳~49歳  9560000 45.99% 4396644
50歳~54歳  9340000 55.43% 5177162
55歳~59歳  7930000 55.43% 4395599
60歳~64歳  7410000 63.58% 4711278
65歳~69歳  7650000 63.58% 4863870
70歳~74歳  9540000 56.31% 5371974
75歳~79歳  6820000 56.31% 3840342
80歳~84歳  5960000 56.31% 3356076
85歳~89歳  3940000 56.31% 2218614
90歳~94歳  1970000 56.31% 1109307
95歳~99歳  570000 56.31% 320967
100歳以上   90000 56.31% 50679

 

こちらが直近の数字です。

 

ここで最近、現行の選挙制度が不公平であると言われる言葉として
【シルバー民主主義】
という言葉があります。
この言葉の理由が実際の数字として見て取れます。
まず長年の少子化の進行により世代別の人口比率に大きな差異が生まれました。
実際
20歳~39歳までの人口は2673万人
に対して
50歳~69歳(同じ年齢幅)の人口は3233万人(若年層対比121%)
全体の投票権獲得人口は10554万人ですから若年層の人口比率は25.3%です。人生90年だとすれば20歳から39歳までは年齢幅から考えれば単純計算で2/7=28.6%で、実際の数字と比較すると3.3%少ないのです。
 
ここで投票に関する数字を見ます
20歳~39歳までの投票実数は935万人です。
全体の投票の比率は17.7%
これを一番投票率の高い63.58%(60歳代)と同じ比率で投票した場合の数字を見てみましょう。
増加した分の投票総人数は 60500443人 
投票人数1699万人 764万人増 全体比率 28%(10.ポイント増)
 
60歳~79歳の63.58%投票総人数
19976836人 若年層対比118% 差異2986836人
 
若者の投票率を63.58%にしても28%にしかならず28.6%には及びません。(20歳~39歳/20歳~89歳=28.6%90歳以上の人口は急激に減少することから80歳に全て含めました)
しかも一番投票率の高い60歳代に合わせましたから、他の年代を全て63.58%にしたらもっと影響力は落ちます。
この事から見えてくるのは投票率を上げたとしてもたった28%以下の影響力に限定された上に全員が同じ投票をするわけではありませんから選挙結果に対する影響力は限定的です。
更に、若者の人口減少は益々進んでいく事は決定事項です。
合わせた現実を見ると、昨今の若者が
『選挙に行っても行かなくても何も変わらない』
『意味が無い』
『意味が見いだせない』
という言葉も現実なのだと分かります。
意味のない事に行動を起こせるわけもなく、制度を変えて、若者達に自分達の意見が反映され政治に参加できている実感が湧かない限り選挙に行かないのは当然です。
そして、その原因を作ったのは若者を指さして批判する年寄にある事を忘れてはなりません。
寧ろ、人口比率において団塊の世代、団塊ジュニア(私達)が20歳代で一番高かった時期に未来の若者と国を見据えた選挙制度を作らなかった事が現在の不公平で民主主義と言えない数の原理だけで動く老人中心の日本にしてしまったのだと猛省しなければなりません。
またこうなってしまた責任を負わなければならず、非難すべきは若者ではなく自分達なのです。
投票せよと言うのなら同世代で投票に行っていない人を責めるべきですし、争点は政治の前に正しい民主主義を取り戻すべく選挙制度の変更にすべきです。
全世代の意見が均等に反映されない選挙制度は民主主義ではありません。
だいたい与党も野党もこの事はわかっているはずなのに、何も声を上げないのは、選挙制度を変えると自分達が作ってきた地盤が無くなる可能性が在るからです。
未来や国民を本当に見ている政党はいまや皆無です。
  • 国会で眠る、
  • 国会で議論すべきことを後回しにしてくだらないゴシップで足の引っ張り合い、
  • 道徳を無視して法に触れなければ何をやっても良い論法は反社会勢力と変わらないやり口
  • 与党に対抗するには共闘しかないと言いながら分裂数十回の自己顕示欲の為に国民を無視する野党
  • 全体の数字を見ないでGDPの都合の良い数字を並べ国会議員の給与は世界トップレベル
  • 世界トップレベルなのに議員の給与は減らすことなく税金を上げる
  • 全ての税金を合わせると日本の税金は世界第2位
  • ゼロ金利政策を止めると国債の利払いでとんでもない事になことをごまかし続け違う言い訳の為に嘘をつき続ける日銀のその後ろにいる財務省
  • 円安は手立てが無いために続く事がわかっているのに誤魔化し続ける政府
もろもろこれらは現行の選挙制度は疑いもなく絶対であるとしてきた多くの中高年の責任なのです。
しかも国会議員を罰する制度を廃止したり作ったりするのは国会議員とした、ありえない制度と同じく
選挙制度も国会議員にしか直せません。
諸外国と比べても自浄能力の期待できない国政に関する異常な制度は日本だけです。
 
日本の為に、若者が国へ向けて存在意義を感じながら明るい未来に期待してキラキラする為に気骨ある政治家、もしくは政党は出てきてくれないものかと情けなくなります。
可能であるのならせめて
  • 年齢層の人口比率によって1票の重さを変える
これができれば政治は大きく変わるでしょうし、新しいイノベーションも生まれてくるはずです。
なぜなら人類の歴史において革命的な出来事や多くの人々の為になるリノベーションは若者から生まれてきたからです。
若者が明るい未来が見えない国に栄えたためしは一切ありません。
凝り固まって変えることが難しくなった日本、もはや当たり前のことや、今まで通りの事をやっても変わりません。
其々が其々で出来る事を考え、同時に自分を長期を見据えて守る手段を考えるべきだと私は思います。