✾✾✾ごあいさつ✾✾✾
こんにちは。
私はこれまで、乳児院、保育園、児童発達支援施設等で勤務してきました。
でも現場にいる時はなかなか振り返る時間もなく、疑問に思ってもそのままになってしまい、「今さら先輩に聞けないなぁ」なんて思うことも多々ありました。
でも今回、ベビーシッターのお仕事で新生児からご依頼いただくこともある為、ちゃんとおさらいしたいな、思いました。
これまでの知識と経験 + 新しい情報を踏まえ、
昔から続けられている大切なことを守りながら最新情報もチェックし、
ご依頼いただいたお子様の月齢や年齢のポイントをすぐ抑えられるようにしようと思いました。
自分用でありつつ、同じ思いの方とシェアして役立つことができればと思い、ブログにあげています。
(追加があれば都度更新~♪)
※人の成長は個人差があるのであくまで目安であり、pointをおさえる為のものです。
特に乳児は個人差が大きいので、「正常を定義することは不可能に近いほど困難」と言われています。
保育士が過敏にならず、おおらかに受け止め、養育者の不安を煽ることのないように接していくことが大切と思います。
育児相談しやすい保育士になれるよう心がけていきたいです。
保育士として、目安やpointをおさえておくことで適切な関わりにつなげることができます。
MR(精神遅滞・知的障がい)、CP(脳性麻痺)についても保育士レベルではありますが、見極めもしていけるようにしたいと思います。
「目は知能の窓」だそうです。
しっかりと発育発達の観察と気付きで、子どもに必要な支援も早期に行うことができますね(*´▽`*)
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◆発達のポイント◆
■原始反射・生理的機能・感覚機能
(乳児期前半の第3段階の完成期であり原子反射が消失して行く時期。消失しているかもチェック)
・モロー反射(0~3か月頃まで)・・後頭部を支え持ち上げ位置を下げた時に両腕を伸ばして広げ抱き着くような格好になる(危ないので慣れてない人はやらない)
・十字反射(0~3か月頃まで)・・頬に何かが触れるとそちらへ口を持っていく
・吸てつ反射(0~3か月頃まで)・・何かが口に触れると口にくわえて吸う
・ATNR(非対称性緊張性頸反射)(0~3か月頃まで)・・顔が向いた方の手足が伸び、反対側の手足は曲がっている
・手の把握反射(0~6か月頃まで)・・腕を曲げ、両手は半握りくらい。子どもの手に大人の手や棒など触れさせると握る。強く握り拳を作っている場合、注意を要する(痙直型脳性麻痺)。通常では1~2か月頃、手を軽く開いていることが多くなってくる。6か月頃には自由に動くようになり、片手で確実に玩具を手のひら全体でつかんだりする。握りは赤ちゃんの意志だが、眼はずっと握られているものに向けられ、注意が他に向くと握ったものを離してしまうのも特徴も見られる。
・足の把握反射(0~12か月頃まで)・・子どもの足裏の指の付け根辺りを大人が親指などで軽く押さえると足の指をぎゅっとする
・聴性瞬目・・耳の側で手を叩いたりするとビックリして瞬きする(あまりやり過ぎないように(^▽^;))
(この反応があれば聴力障害の可能性は低いと考えることができる)。
・視性瞬目・・50cm以上離した玩具に注目させて玩具を見つめている時に手早く近づける(ぶつけないよう気をつける、30cm以内の距離に近づけない)と、びっくりして目をつむる反射(4か月~6か月頃までに見られ始める)。遅くとも6か月までに陽性となるので知的発達の評価に役立つ。
・自発的微笑・・生後数日より微笑みを見せる→社会的微笑・・生後1か月頃になると、あやすと微笑むようになる
・顔布テスト・・4か月頃:顔を左右に振り、手で取ることはできない。5か月頃:両手でとる(両手取りができればMRの心配はないとのこと)。6か月頃:片手で取る(両側片手取りができればMRや片麻痺はないとのこと)。
・味覚が敏感になり、甘味や苦味など対関係にある味の違いがわかり始める。
・まばたきができるようになり、涙の量が増えて、泣く時に涙を流して泣くことができるようになる。
・唾液の分泌がが増え、あぶくのようなきれいな泡を出し始める。
・親指と人差し指をカニのはさみのように動かす→観察ポイント:左右できるか・物に触れると挟むような動き・手指の方へ視線が向くか。
<発達の目安>
生後1か月 あやすと微笑む
生後3~4か月 頸定
生後5~6か月 寝返り
生後7~8か月 お座り・這い這い
生後10が月 つかまり立ち
生後10~12か月 つたい歩き
生後12か月 一人立ち
生後15か月 独歩
◆修正月齢の計算方法(早期産乳児の発達の見方)
例:在胎32週で出生した生後5カ月になった乳児の発達評価
40週-32週=8週→2カ月
5カ月-2カ月=3カ月
修正月齢は3カ月なので、5カ月児ではなく3カ月の赤ちゃんとして発達が正常かあるいは遅れているかを評価する。
原則、12カ月まで通用する。
※生後4か月~6か月の間が一番大切な時期
・4か月で頸定がなく、下肢挙上がなければ本格的に要注意とのこと
・発達の遅れを判断するには6~7か月頃まで様子を見る
・3か月以上の発達の遅れがあればMR(精神遅滞・知的障がい)が疑われる
・指の屈曲などの歪みを呈するならCP(脳性麻痺)が疑われる
◆腹ばい姿勢の特徴(うつ伏せ)
4か月半頃・・床から胸まであげる
・三点支位
・両方の骨盤と前腕―肘の4点で支えていた重心を両方の骨盤と片方の3点で支えられるようになる
・片方の腕を浮かして伸ばし玩具が取れるようになる
・上記の動き(遊び)ののち、勢いでうつ伏せ→仰向けに寝がえりするようになる
・順序だてて発達しているのであれば、生後5か月頃には寝返りができるようになる。
5か月頃
・不完全な掌支位
・身体は支えられるが手が開いていない場合、手の把握反射が完全に消失していない
・あおむけ→うつ伏せの寝返りが見られるようになった後、うつ伏せ→あおむけの寝返りもできるようになる。
6か月頃・・床からお腹まであげる
・掌支位
・肘をしっかり伸ばして手のひらで身体を支えている。
・手の指が全部きれいに開き伸びていて安定して身体を支えていることができれば、生後6か月の発達レベルとみなすことができる。
◆復位懸垂(うつ伏せから両脇を持ち上げた姿勢)
・4か月を過ぎるころ頭を背より高く凹状が見られる。
・上肢は軽く屈曲し体幹に近づく。指しゃぶりはじめる乳児もいる。
・下肢は曲がった状態からのびた状態に変わっていく。
◆あおむけ姿勢の特徴
4か月頃
・下肢挙上・足底のすり合わせが見られるようになる(~12か月頃まで)
・正常では、一生のうち、生後4か月頃が足の把握反射が一番強く出現する。
→痙直型脳性麻痺にはならないだろうと推測できるらしい
(重度の痙直型脳性麻痺の場合、下肢は伸展したままで浮かさない。少し軽い場合は下肢をM字型に開いて少しは床から浮かせられるが足裏を合わせることはできないとのこと)
5か月頃
・浮かせた膝に手をもっていく。
・あおむけからうつ伏せへの寝返りの全身運動が始まる。※最初は寝返った時に下側の腕が抜けるよう助けてあげる。
6か月頃
・さらに腰を浮かせて足のつま先を手で持つようになる。口まで持っていく姿も見られるようになる。
このような足の浮かせかたや手と足の協調運動が見られるようであれば脳性麻痺の心配はなさそうとのこと。
<仰向け姿勢の目安>
生後2か月 手と手を口に
生後4か月 足を浮かせて足裏をすり合わせる
生後5か月 手で膝を触る
生後6か月 足のつま先をさわる
生後8か月 手で股をさわる
◆ボイタ法(脳性麻痺の早期発見・早期治療を目指す為の7つの姿勢反応・・うち役立つ2つの方法)
①引きおこし・・頭が身体より後ろに垂れている→生後7週~3か月頃までに、頭を起こそうとする働きが見られるようになる。頭と体幹の軸が一致していれば生後4か月レベル→首が座っていると判定される。生後6か月頃には顎が胸につくまでになる。生後6、7カ月頃になると差し出された指につかまり、自分で起き上がろうとする。1歳に近づくにつれて下肢は屈曲から伸展が見られるようになる。
②コリスの水平反応・・上肢はモロー反射、腕を広げたあと物をすくうように腕を前にまわす。下肢は曲げたまま(生後約6週まで)
→生後7週~3か月頃までは、上肢はモロー反射、腕を広げたまま物をすくう様子はなくなり、下肢は生後6週までと同じ状態。
→生後3~4か月頃は、上肢はモロー反射のように腕を広げたあと、床に対して手で身体を支えようとし始める時期で、手のひらを床のほうに向ける傾向を示し、下肢は生後6週までと同じ状態。生後6か月頃には上肢はさらに床に向けて平行に手を伸ばし、手を広げて床に着いて身体を支えることができるようになる。下肢は生後6週までと同じ状態。
◆座位
4か月頃
・頭部を垂直に保とうとし、両手をつくが1分は続かない
5か月頃
・4か月頃に続き、両手を前方へ広げてつくが1分は続かない
6か月頃
・不安定ながらやっと1分座っていられるようになるも、しばらくして倒れる
※首がすわったら5分くらい支え座りでの遊びを取入れていく
※大人の支えやクッション等で支えてケガしないようにする
◆立位懸垂(両脇を持ち上げ立たせた姿勢)
・下肢の屈曲が多くなり、腹部へ引き寄せる
◆立位
・4か月頃から両腕を持ち支え立ちすると、頭をまっすぐ保ち、背中はまっすぐ伸びる。6か月頃には足裏全体で体重を支えられるようになり、ピョンピョンとはずみ運動をする。
◆視・聴覚◆
・仰向けのみならず、支え座りの姿勢でも視線が途切れなくなり左右や上下の追視ができるようになる。
・4か月半ころより黒目部分が大きくなり瞳の色が変わってくる。
・身近な親しい人に自分から意志で笑いかけるようになる「社会的微笑」が見られるようになる。
・涙が出るようになる。
・身近な人と初めて出会う人との区別がつくようになり、緊張や表情が硬くなったりする「初期の人見知り」のはじまり。
・6~9か月頃になると反応が安定するのでスクリーニングを行う。
視覚
①明るい方へ眼を動かすか
②音のする玩具には手を出すが、音がしないと手が出ない
③眼球が振れ動いている
聴覚
①音遊びをしない
②音遊びがずっと同じ
◆ことば◆ 喃語
・生後4か月頃より舌や唇を使う音声が加わり、笑い声も発せられるようになる。
・赤ちゃんの発声を真似て相手をすると、全身で喜びを表現する。
◆環境設定◆
・体温調節の力は安定し始めるが、まだ気温の影響を受けやすいので室温に気をつける
・衣服の調整をし、着せすぎに気を付ける
・睡眠は、朝7時頃に目覚め、日中2~3回、夜は20時頃に入眠のリズムにしていく
◆沐浴◆
・新陳代謝が激しいので、皮膚を清潔に保つためにも沐浴は大切。授乳後は避ける
・決まった時間に行い、生活リズムを作っていく
(私が乳児施設に勤務していた頃は、4か月目頃には家庭用お風呂で入浴を始めていました(病児を除く)が、参考資料だと、まだ沐浴らしい・・)
◆離乳食・ミルク◆
生後3~4か月 160ml~200ml
・4~5H毎。1日5~6回
離乳食開始頃 離乳食+200ml
・赤ちゃんの活動量が増えて来る。成長に合わせてミルクの調節。
※結構個人差あり!!吐乳しやすい場合・・
ペースをゆっくりにする、3時間毎などこまめに少な目の量であげる、哺乳瓶の乳首のサイズを替えるなど調整する。
生後5か月頃・・離乳食開始
・一回食、野菜スープをスプーン1さじから始める。
・初めての味、食器に慣れるのが目的。
・離乳食の内容は本など参照。
生後6か月頃
・おやつを手に持って食べる。
・6か月を過ぎた頃からコップから飲ませることができるようになる。
※哺乳瓶や離乳食を見た時に欲しがるか。
※スプーンや離乳食が口で押し出されて出てしまうことより、食べたい意欲を観察する。
◆遊び◆
・左右に置かれた積み木をどちらも注視できるかなど観察する。
・腰を支えた支え座りの遊びも取り入れていく→観察ポイント:左右対称姿勢が保たれているか・玩具の動きを目で追うか。
・身体をねじり寝返りの動きが見られるようになったら、赤ちゃんの好きな玩具を左右に置いて寝返りをうながす。
・足を交差させて寝返りを支える。
・散歩を日課に取り入れていく。最初は15分~30分など短時間。風や鳥のさえずりも赤ちゃんにとっては刺激となる。
・大人が口の動きを見せて遊ぶことも大切。言葉は離乳食にも影響する。コロナ禍で保育現場でできないのが残念( ノД`)
※なめると環境ホルモンが溶け出す塩化ビニール製や金属製の玩具は避ける。
※直径3.5cm以下のものは避ける(トイレットペーパーの芯くらいが目安)。
◆E.Hエリクソンによるライフステージと発達課題◆
・・心理社会的発達は危機的段階の解決によって前進する
・・危機を乗り越えることによって次の段階へすすむ
Ⅰ乳児期 基本的信頼 対 不信
・快と不快の感情は、生後一番早く分化する感情の一つ。
・不快→快にしてくれる体験は、子どもが養育者の愛情を感じとる大切な体験。
・イギリスの精神科医ボウルビィの言葉で言うと、愛着(アタッチメント)関係の形成。
・空腹やオムツが濡れると泣き、交換してもらうと泣き止む。
・抱っこされると泣き止んだり安心した表情をする。
◆かかわり方のポイント◆
❤4か月頃には乳児期後半のお座りや這い這い、音声言語の獲得の基礎となる発達の力が生まれてくる時期。しっかり導きと支え、見守りをしていこう☺
❤親しい人や好きな玩具を「見つけた!」時の目の輝きがあるかみていこう☺
❤明らかに空腹状態にありながら食欲が見られない心因性の食欲不振がある。食事の時の介助者の態度や雰囲気が赤ちゃんの「食べたい」意欲に繋がるような楽しい雰囲気作りをしていこう☺
※寝返りに繋がる動きをよく観察し、遊びの中で身体をねじる運動を取入れていく。
首が座り始めると腰をねじって寝返りをし始める、すると半月後くらいには左右どちらにもコロコロ寝返りできるようになり、自分の意志で興味のあるモノの方へ近づいていけるようになる☺赤ちゃんの嬉しい楽しい気持ちを大切にしながら、床の衛生面や危険の予防に気をつけよう☺
❤寝返り遊びができるようなスペースを作ってあげよう☺ベッドから離れる時は柵をあげるなどして転落防止する。
❤寝返りは赤ちゃんにとって自分の意志で動ける初めての手段の獲得!感動ですね☺
❤離乳食は人間的な食生活の第2のスタート♪ 離乳食をとる時間は、耳・目・手・口から身体と心の栄養を取入れる大切な時間、食べなくても焦らず気にしない。まずは離乳食の環境に慣れること☺
◆メモ◆
・身長と体重
体重は生まれた時の約2倍(6~8kg)、身長は65~70cm、頭囲は約42cm~43cmに成長する。
3か月~6か月頃は一日の体重が15~20gの増加が望ましいとのこと。
・赤ちゃんのくしゃみ
空気の乾燥やホコリ、毛布のけば等が鼻に入るとゼロゼロすることある。水分を与えると楽になることがある。
赤ちゃんは口で呼吸することができないので環境に気をつける。
・赤ちゃんの発熱
赤ちゃんは体温調節機能が未熟なので、くるみすぎやむし暑い時に発熱することがある。熱が高くてもあわてずに、着るものや室温調節、おしっこが出ているかチェック。水分を与え様子を見る。
私の場合は、熱が下がらない(両脇ともに37.5°c以上)、おしっこが出ていない、ぐったりしているような時はお医者さんに診て頂く基準にしています。
・アレルギーに気を付ける
離乳食開始以降、口の周り、全身の様子、便の色など観察する。
・健診時期
・予防接種も沢山、保護者さんは大変な時期(^▽^;)
・ママのケア
・この頃のママは産後のホルモンバランスの崩れなど、体調が回復しておらず、産後の育児疲れが蓄積している。育児の不安感や疲労感などにも配慮する。
◆手作りオモチャ◆
・小さめのボトル(これはコーヒーが入ってました)で作ったセンサリーボトル(スノードーム)にファスナーを貼り付けました。赤ちゃんのうちは転がしたり中身が動くのを楽しみ、もう少し大きくなって指の力がついてきたら、ファスナーでも遊んでくれるかな✨
・起き上がりこぼしが大好きな赤ちゃん。ひな祭りの時期に、お雛様の起き上がりこぼしを作ってみました。ガチャガチャのケースと紙コップで簡単に作れます。時期に合わせて作り変えます♪
参考:乳児の発達のみかたのエッセンス(診断と治療社)
発達がわかれば子どもが見える(ぎょうせい)
乳児のこころとからだ(大日本図書)
エリクソンのライフステージと発達課題や最近の研修資料