三連休なんて

無縁の暮らしのくせに、

なんだかソワソワしてしまう。


生憎の雨模様。

きょうだけ晴れ間が出ると言う。


出掛けるとするか...


勤め人をしていた頃の街

神谷町

麻布台ヒルズを覗こう。






昔は

小さなお店が

ビルの谷間にあったり、

憩いの場と言えば

ホテルオークラくらいだったのに


こんな大きなものが

建っている。

当時の地理を思い出しても

どこがどうなったら

こうなったのかと

頭が繋がらず、

記憶喪失のような気持ちになる。


人も多いので、

早々にこの場所を跡にして

六本木方面へ歩き出す。




ブルーコメッツ(ふるっ)

ジャッキー吉川のお店がある。

その名もブルーシャトー


横を見ると

見覚えのあるお店が...


飯倉片町のキャンティ




当時は六本木の喧騒を逃れた

薄暗かったこの場所が

ヒルズ誕生で一気に

人目についている。


言わずと知れたお店

まだ日本に本格的な

イタリアン・レストランがなかった1960年、

オーナー川添浩史と妻の川添梶子を中心に、

二人の夜の遊び場のような店として麻布に。

当時の日本はナポリタンと

ミートソースぐらいしか知られてない時代

キャンティでバジリコを出したら

“緑色のスパゲッティ”と人々を驚かせた。

当時はキャンティのように

深夜3時まで営業している

飲食店がなかったので、

夜型になりがちな芸能人、

作家、テレビマン、政治家などが

自然とキャンティに集まり交流を深め、

単なるレストランではなく

“大人の遊び方”を教わる場所になったという

古のお店。


敷居が高くて一度も入れず。


もう還暦にもなったし

入ってみるか!と

意を決して

扉を開けた。


幾つもの個室があって

どちらも満員。

入り口の席ならと

通してもらえる。


とうとう食べました。

緑のスパゲッティ




今では食べ慣れたこの

バジリコのスパゲッティ


これを60年代にいただいたら

うちの親も

度肝を抜かれただろ。


とても美味しい

爽やかな味だった。




スィーツも

素晴らしく

数ある中から


栗をペースト状にして

練り込んでロールケーキにした

この逸品を選んだ。


美味しかった(語彙が貧弱)


ただお値段は変わらず

可愛くなかった。




帰り際

お店の方に

「今度はゆっくり

 ディナーにいらして下さい。」


と言われた。

常套句だと知りながら

いい気持ちにさせていただいたのも

流石である。


非日常って

どうしてこんなに

楽しいんだろう。


日常に戻る気力が

どんどん薄れながら

帰路に着いた。