先日ディズニーシーにいってから、相棒が撮影したイルミネーションショーの動画を、ほぼ毎日観ている。
不動明王のように30分間じっと立ったまま、手持ちでがんばって撮影したのだ。
花火や、湖面を渡るキラキラ星、にぎにぎしく輝くストーリー毎の光の舟も素晴らしかったが、何より素晴らしかったのは音楽だ。
それで、そのショーのテーマになっている音楽をもっと知るべく、連日ディズニー映画の上映会をしている。
まず、ラテンの音楽に惹かれて観たのは「リメンバー・ミー」。
メキシコの「死者の日」をテーマにした物語だ。
11月2日、故人や先祖の写真を飾り、たくさんのごちそうを並べて花の橋を渡って帰って来る死者を迎えるのだ。
写真を飾ってもらえない死者は、花の橋を渡って現世に戻ってこられない。そして、誰にもほんとうに思い出してもらえなくなったら、その魂は完全に消滅してしまう。
ご先祖さまを自宅に迎えて供養する日本のお盆の考えと似ている。
母は昔、お盆になると地獄の釜が開いて死者がやってくるぞと脅かされたそうだ。子供の頃はお盆がものすごく怖かった、と言っていた。
ハロウィンも死者の国の扉が開くという伝承に基づいていたものらしい。
地球の反対側に、はるか昔から続く同じような文化があるなんて面白い。
キリスト教や仏教がやってくるはるか古代から、人々は死者が帰ってくる日をお祭りしていたのかもしれない。
実は古代史は、人の移動や文化の交流がもっと盛んだったのかもしれないな、と思う。
さて、「リメンバー・ミー」を観た感想である。
ディズニー映画の中で1番好きかもしれない。
ヒロインは出てこない。
でも、家族がでてくる。絆というものは、押し付けるものではなく、夢を諦めて手に入れるものではない。
物語には、ゾッとするほどの悪人が出てくる。
生者の世界のみだったら、壊れた絆は二度と取り戻せなかったろう。
でも、物語は死者の日に起こる。
生者も死者もごちゃまぜになって、祭りのようにストーリーが進む。
主人公の少年が、生者と死者を越えたほんとうの絆を繋いでいく様が胸熱だった。
ラテンの明るい音楽も良かった。
相棒も、ほぼ初めて観たディズニー映画が、「リメンバー・ミー」で良かったと言った。
とてもいい映画だった。
もう一度ディズニーシーにいったら、こんどはショーの音楽とストーリーの意味がわかるから、もっと楽しめるだろう。