夫の友人夫妻が去年の夏に結婚した。
その後、妻は妊娠が発覚し、来年の2月に出産予定となっている。

彼女は高校時代から精神不安定になり、安定剤や眠剤、その他諸々の薬を服用して今日に至っている。
服用を忘れると大変な状態になる事もあるため、それは絶対に欠かせない。
ところが妊娠するにあたり、医師と相談せねばならなかった。
それは妊娠してしまったら、服用できない薬があるからである。
代用できるものは代用するが、出来ない薬もまたいくつかある。

彼女にとって、その薬を止めるのは17歳以来の事である。
32歳になるまで服用し続けてきたからこそ、仕事も問題なくやって来れた。
しかし、それを止めてしまったら、また自分がコントロール出来なくなるかもしれない、泣き叫び、得体の知れない不安が襲って来て、外に出れなくなってしまうかもしれない・・・そう考えると、なかなか妊娠するための準備に入れなかった。
しかし、どうしても子供が欲しいと言う事で、本人の強い意思が家族に理解され、妊娠に至った。

妊娠してからは順調に来ていたが、先週、夫が会社を2週間休まねばならないほど「妻が大変だった」と聞いた。
母になりたいという思いがあるから、薬を減らして頑張っているが、それは本人にとって想像を絶する挑戦なのだと思い知った。

2月に向け組み立てたベビーベッドにしがみつき、泣いている事が多いのだと聞いた。
私は41歳であるが、恥ずかしながら彼女のような「立ち向かっていかねばならない妊娠」のケースを近くで見るのは初めてである。

産むという選択は、お腹に子を抱える母のみにあるのだろうか・・そんな夫婦関係を考えるマイナス4度の朝である。

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