8月は義母宅に1週間ごとに友人が泊りに来てくれていたおかげで、私が義母の孤独に気をかける事が無かった。
1週目は17歳からの友人、2週目は子供が小学校に上がった頃に共にPTAをやっていた友人、3週目はやはり子供繋がりで学校関係で親しくなった友人が遊びに来てくれていた。
友人らがそれぞれに義母を映画に連れ出し、買い物に連れ出したりしてくれたおかげで、女友達の楽しさというのを分かってくれたんじゃないかと勝手に推測している私。

そんな先週、3番目の友人が帰った数日後に義母と町に出かけた。
義母は私の車に乗りこむなり、「M&Sに寄って頂戴」と言った。
手には巨大な買い物袋がある。

私は「返品ですか?」と聞いた。
義母は「そうよ。どれもこれも間違いだわ」と投げ捨てるように言った。

義母は友人と買い物に行くと、必ず衣服や鞄、靴などを10万近く買い物する。
それも試着する事は無く、「あ、これ良いわ」と言いどんどん買って行く。
相手の友人が買い物をする人であれば楽しいが、金銭的にギリギリの生活をしている友人の前でも同じである。
そうして友人が帰ると必ず全てを返品する。
これはもう私が嫁に来た12年前から気付いている事であるから、きっと以前からそうなのだと思う。

これは義母の女の見栄なのだろうかと考えてきた。
しかし、私の中の「友人関係」や「友情」の中に見栄はない。
薄っぺらい見栄を張っても見透かされる程恥ずかしい事はないし、見栄ありきの友情は親友関係において本当の友情は築けないと私は思っている。

義母はどんなに友人らから「遊びにおいで」とか「泊りにおいで」と言われても何だかんだと理由を付けて行かない。
が、友人らが飛行機や電車で数時間かけて来てくれる分には歓迎である。
その時、歓迎の意味を込めてか数万円の花のアレンジメントを花屋に頼む。
それはまるで、いつもこんな花を置いているんですよという風にも見えるのは私の穿った見方だろうか・・

そうして買い物に行くたび衣服を買う。
あなたよりお金があるのよと誇示しているとも思えないし、そんな必要などないと思う。
人は住んでいる家と車で、己の財力を表に出す。
それで検討は付くと思うから、義母がそんな事をする必要はないし、それを長年の友人にしているとも思えない。

毎度毎度この返品に付き合うたびに、お店の人に「申し訳ない」と思うのは、私が同じく量販店に勤めているからだろう。
私も女であるから怖いのは、女の友情関係における「嫉妬」である。
妙な嫉妬は買うもんじゃないという事である。

先日、うちのバイト女が仕事に目を腫らせて出勤した。
理由は「5年付き合った彼氏から別れを告げられた」ことだった。
その原因が、幼稚園から仲良くして来た親友が彼を寝取ったという。
親友に突き詰めたら「あんたにだけは玉の輿に乗らせたくなかった」という理由だった。
数か月前、スペインに一緒に旅行に行った仲だったのにである。
心の奥底で嫌いな女友達と仲良くできるこの怖さ。
まさに女のなせる業だろうか・・
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