夫の兄と初めて会った時、兄は私に大きな声でハキハキ、ゆっくり話してくれた。
それを聞いていた義母が「この子(私のこと)は耳が聞こえへんわけちゃうねん、そんなわざとらしく大声で伸びたカセットテープみたいに話さんでも分かるわ‼️」と言った。

義父は私を嫁に迎えるに当たり義母と話し合い、とにかく正しい英語を使うように心掛けよう、スラングは避け、彼女にとって手本となるようにしよう、それと同じ意味の単語でも、思い付く限り簡単な方で言おう、まずはイギリスに暮らし慣れするまではそうしよう…と話し合ってくれていた。

で、いざイギリスに来て義父母と過ごすなかで、義母はとにもかくにもスラングオンパレードだった。
義父は「だから、スラングは使うな」と義母に注意する。
義母は「これスラング?違うやろ」と毎回言い合いになった。
義母は結局スラングが何なのか分かってはいなかった。

それから私は何度となく様々な場面で説明を受ける時など店員から大きな声でハキハキゆっくり話される事があった。
今はあまり無いが、最近では銀行の窓口でやはりあった。
最初の説明があまりに分からず再び聞き直したからである。
耳が悪いわけやない…強いカーライルアクセントが理解できないだけなのであるから、何度大きな声で言われても分からんもんは分からん。
分かった振りをしてやり過ごした。

先日、夫の空手クラスにブルガリア人の人が入ってきたらしい。
英語は最低限…という感じであるが、この人の言うことを分かる人は分かるし、駄目な人は徹底して分からんという状態らしい。
で先日、先生がこの人に大きな声でゆっくり説明したがいまいち分かってはいなかったから、更に大きな声で説明し始めた。
外国人の嫁を持つ夫は先生に「先生、声のボリュームの問題や無いんです。分からないものは分からない。知らない単語が入ったら、彼にとってはもう全く繋がらない内容をただ大声で言われているだけです」と説明し、夫は単語を選んで説明したら分かったらしい。

ちなみにその時、老人の先生は自分が一番偉いんだという趣旨の事を、「私がここではビッグチーズだ」
と言った。
ネイティブ英語人でない人からしてみれば、「私がここでは大きなチーズ??」となる。
もちろん、だいたいの人はああ…多分ボスが私だよと言っているのだなと予測はつくが、その言い回しは英語に慣れていないと直訳したら何故今この場面でチーズというのだろうか…と混乱する。

とは言え私も同僚も、英語ゼロの中国人観光客がきたら、ついつい大きな声で説明してしまっている。
声のボリュームの問題や無い…分かっている。
人気ブログランキングへ