久しぶりに、とてもワクワク読めた1冊でしたので、ご紹介します。

 

 

テクノロジー思考

蛯原 健 著

ダイヤモンド社

 

ここ数年、私がもやもやと「何故?」と感じていた疑問の答えがいくつも

書かれていた1冊でした。

 

最近、巷でよく聞くようになった「デジタルトランスフォーメーション」という
ものが目指しているものはどこなのか?
ネットの外へ進出したビジネスが直面している問題はなんなのか?
過剰流動性によって、資金が向かっている先はどこなのか?

 

個人的に一番印象に残ったのは、

産業革命以前は、人口や国土の物理的な大きさによって国際間の
経済競争力が決まっていたけれど、産業革命以降、技術革新による
生産能力向上などにより、経済競争力の大きさがきまるようになった。
そして、現在、ネットやAIなどの技術、アジアの教育レベルの向上に
より、テクノロジーの差が縮まったことで、再び人口規模と経済規模
の相関が強まるという1周回って・・・的な展開。
 
・・・だから、米中の対立が深まり、その次に来る国としてインドが台頭
してくるという近未来図でした。

ここが分かると、米国が危機感を募らせているのも頷けます。

 
中国が、その後、インドが、米国経済を超える規模になる・・・今の私には
その時の未来の姿が想像できませんが、そういうことも起こりうるんだな
・・・と考えさせられた1冊でした。
 
また、中国が資本主義の使える部分をうまく取り込み、自国の社会制度の
中で成長を後押ししたことで、アメリカに続く経済力を手にし、更に大きな
経済力を持とうとしていることに、過去の冷戦時代のような、共産主義
より資本主義が良いと単純に攻めきれなくなっていることが、欧米諸国に
とって認めがたい、対応に苦慮している部分であることも理解できました。
 
米中印の現状と今後について知りたい方にはお勧めなので、興味のある
方はご一読ください。